10月末のことだ。
下校時に、双子弟、まそらの小学校でのタブレット使用状況の一端を衝撃と共に知ることになった。
担任の先生には、
「タブレットの使用は最低限で」
とお願いしていたのだが、「中毒」症状を生じるほどの頻回な使用がなされていることを算数の先生より聞く。
2学期に入り、まそらは、
「クルクル回る」行為や、
「首を振りながら走る」行為が、
急に目立つようになっていた。
タブレット使用との因果関係を確かめる術はないが、可能性はゼロではないはずだ。
発達障害を改善すべく、家庭にて懸命に取り組んていることを台無しにされたような思いがした。
これはイカン。。。
ということで、翌日、担任の先生にお時間をいただいた。
●担任の先生とお話しする
まずは、どれくらい使用しているのか確認をさせていただく。
「自立」の時間で15分、「算数」の時間で10分ほどとのこと。計25分だ。
脳科学者の澤口俊之先生には、「デジタル機器の使用はちょっとの時間でも駄目だ」と言われている。
勘弁してよ!と思う。
以下、先生とのやり取り。
青字は先生の発言。
「そもそもICTは何のため?」
時代の流れ。家庭で予習をするのに使うことも。将来、デジタル機器を使わなければならなくなるので、子どものうちからやっておく。
「予習はタブレットがなくてもできるのでは?パソコンなども大人になってからの習得で別に困らない。私は困らなかった。
自立の時間は何をするためにタブレットを使用?」
地図を見る。どこに行けるかなどを調べている。
「それはタブレットを使って必ずしなければならないこと?」
必要ないと言えばない。自立の時間は好きなことをして心を落ち着ける時間。
「デジタル機器が幼児の脳の白質、前頭前野の発達を阻害するという論文が出ている。東北大学の川島隆太教授も『スマホが脳を破壊する』という本を出している。」
スマホは・・・、電磁波が良くないとか言いますね。
私の心の声:今は電磁波の話ではアリマセン。
「デジタル機器が脳の発達を阻害しないというエビデンスを示していただければ、こちらも安心できるのだが・・・。」
それは・・・。
「今後、10年、20年後に、デジタル機器の有害性が明らかとなり、幼児の脳に悪影響を及ぼすことが社会的通説になったとして、10年、20年さかのぼって、まそらに救済措置が取られるかというと、そんなことはないですよね?」
そうですね。
「ICT推進は国の方針であり、ご無理を言っているのは重々承知で、大変申し訳なく思うのだが、発達障害は脳の問題であり、デジタル機器の使用は非常に心配。
澤口俊之先生は1週間に5分でも駄目。一切やめるようにと言われている。デジタル機器の画面の変化の速さは過刺激で、使用していないときでも速さを求めるようになるとのこと。
2学期に入り、首を振って走り、物にぶつかり転倒することが増えた。クルクル回る姿も見られる。そうしたことは園児の頃はやっていたが、今は見られなくなっていた。
先日は、朝起きるや否や、地図をスマホで見せてと言ってきて、駄目だと言うと寝たまま私を蹴ってきた。暴力をふるってまでスマホで地図を見たがる。地図のことで頭が一杯で、他の話をしても耳には入らず、地図の話ばかりする。
個人に合せて柔軟に対応できるのが特別支援教育ですよね?
可能な限り、タブレットは使用させないでほしい。」
ゼロにはできないが、減らしていく。
以上、算数の先生に話したのとほぼ同様の内容を努めて笑顔で話す。
ひとまず、こちらの意を汲んでくださり、ホッとする。
無茶な主張をしているという自覚はあるので、先生には申し訳なく思う。
が、それでも、もし、先生がタブレット使用の必要性を強く主張してこられたら、かなりもめることになっただろう。
●その後のタブレット使用状況
次の日、そしてさらにその次の日。
まそらに、
「今日、タブレット使った?」
と聞いてみる。
「使ってない」と答える。
その後も時折、タブレットの使用を確認したが、いつも「使ってない」と答えた。
よかった〜と安心する。
そして、先日、2学期末の面談が行われた。
タブレット使用状況について先生がおっしゃる。
「タブレットの使用は大幅に減らした。1日5分か、まったく使わない日も。今までタブレットをご褒美に頑張るようにしてきた。タブレットを使えなくなり、頑張れないことも出てきた。それでも、少しの使用もない方がいい?」
と言われる。
そうですね。可能でしたら、まったく使わないようにしていただいた方がいいです。
と返すと、
「タブレット以外のご褒美を探す。」
とのこと。
「スマホに育児をさせないで」的な文言が浮かぶ。
タブレットがご褒美デスカ・・・。
先生も大変だとは思うのだが、、、
でも、それって、親にありがちな「スマホを持たせておけば大人しくしていて楽」というのと同じレベルなのでは?
そりゃ楽でしょうよ。
でも、わが家はその「楽」をきっぱりと捨てたのだ。
病院などで騒いでほしくないとき、スマホを見せればそれは確かに楽だろう。が、澤口先生の「教育相談」を受けたその日から、我が家はどんなときでもスマホは一切見せないようにしてきたのだ。私自身が「楽」かどうかはまったく重要ではない。
脳によくない「かもしれない」ことは、「かもしれない」レベルであっても避けられる限り避けるのだ。
●余談(特別支援学級について)
特別支援学級について記事をいくつか書きたいと思いつつまったく書けない。
他にも色々書きたいのだが書けない。
時間がなさすぎるのだ。
なので、ここで少しだけ、支援学級の話を。
先日、2学期末の面談があり、次年度どうするかを11月末までに決めてほしいと言われた。
11月末って、、、結構早い時期に決断を迫られるのだと知る。
学校での支援会議では、まそらは「支援学級が望ましい」となっているようだ。
そうだろうと思う。定型発達のお子さんと同じようにはとてもできない。
だが・・・。
次年度どうするかは、私の中では、ほぼ決まっている。
特別支援学級の選択は、ない。
通常学級でやっていけるかというと無理だろうとは思う。
まそら自身も、支援学級を望んでいる。
でも、次年度、まそらを支援学級にはいさせられないのだ。
支援学級も通常学級もまそらには適さない。
それでも選ばなければならない。
次年度、通常学級に行かせるという選択は、正しいだろうか。
わからない。
確かなことはいつも何ひとつない。
手探りで進む日々は心もとなく、常に常に肩に力が入る。
どこかトータルに相談できる場所があればいいのに。。。