特別支援学級でのトラブル③〜上級生から暴力をふるわれる〜

我が家には、小学1年生の双子弟、まそらがいる。

彼は、ADHD+自閉症スペクトラム障害で、

現在、特別支援学級の情緒級に籍を置いている。

 

情緒障害の特別支援学級には、まそらを含め4人の児童が在籍している。

6年生の男児と女児が1人ずつ。

5年生の男児が1人。

そして、1年生のまそらだ。

 

今回の記事では、特別支援学級の5年生の男児について記す。

●5年生男児と6年生男児との喧嘩が激しい

4月。

入学して1週間ほどが経過したある日の朝のことだ。

まそらと共に特別支援学級の教室に入ると、5年生と6年生の男児2人が激しい喧嘩を始めていた。

どのような状況だったかと言うと、

・怒った5年生男児が、6年生男児に向かって、大声で怒鳴り散らし、拳を振り上げ、追いかけ回す。

・6年生男児の机をなぎ倒す。

・教卓に置かれた提出物を床に叩きつけ、ぶちまける

パーティションや段ボールなどで作られたパーソナルスペースの屋根?を怒鳴りながら激しく何度も叩く。

・大声で叫びながら、教室中を走り回り、ドアをバンバン開け閉めする。

・6年生の男児は、5年生の男児をさらに怒らせながら逃げ回る。

 

といった感じだ。

あまりの騒ぎに、近くの教室から沢山の児童が出てきて見てはいるが、誰も止めには来ないし、先生を呼びに行く気配もない。

先の記事にも記したが、登校時、特別支援学級に教員はいないのである。

 

まそらよりはるかに身体の大きな5、6年生の喧嘩だ。

1年生のまそらが巻き込まれてはたまらない。

大人として、止めに入るべきかとも思ったが、そこは申し訳ないが自分の子どもが最優先だ。

巻き込まれないように、まそらに朝の準備をさせ、早々に1年生の教室へと避難する。

途中、階段ですれ違った先生に、一言声がけはしておいた。

 

特別支援学級・・・。

「安全に過ごしてほしい」と思って選択したのではなったか。。。

 

そして、その3日後。

また、朝、喧嘩が始まる。

 

しかし、このとき、私はまだ、まそらには関係ないとタカをくくっていたのである。

 

 

●まそら、5年生の男児から暴力をふるわれる

毎朝、まそらと一緒に登校する中で、5年生男児の暴力的な振る舞いが気になるようになった。

まそらのちょっとした言動に過敏に反応し、すぐにかっとなるのだ。

そして、大声で怒鳴ったり、まそらの髪の毛をつかんで引っ張ったりする姿が見られるようになった。

 

そんな5月の終わりのある日の朝。

まそらが、その5年生男児より、以下のような暴力行為を受ける。

・まそらの頭を何度もこづく

・まそらが痛がるほどに腕などを強く握る

・まそらのランドセルを床の上で引きずり回す

 

私の方をチラチラ見ながらやっているのであるが、明らかに普段から暴力をふるっているような感じがした。

何と説明すればいいのか。

やり慣れている感じがしたのだ。

 

それでかと思う。

小学校に入学してから、

まそらはひどく暴力的になり、ためらうことなく、しかも渾身の力で、双子兄、まひろや私を叩いたり蹴ったりするようになった。

「死ね!」「殺すぞ!」など汚い言葉を使うことが急増した。

頭についているゴミを取ってやろうと手をのばすと、身体を丸めて身構える。

ニコニコしていることが減った。

 

こうした変化が見られるようになり、何だろう?と気にはなっていたのだ。

 

「○○君(5年男児)は暴力の達人」

などと、この頃まそらが、よく口にするようになっていたが、それはてっきり6年生男児との喧嘩について言っているものだと思っていた。

まったく、うかつだった。

本人が暴力をふるわれていたとは。

 

しかも、さらに悪いことに、よく特別支援学級に遊びに行く兄まひろも悪影響を受け始めた。

「○○(人の名前)、しーね!、しーね!」

などと、家で、はやし立てるように言うようになった。

誰がそんな言い方をするのか問うと、

「○○君(特別支援学級の児童)が言っているんだ」

と言う。

 

話がややそれてしまった。

まそらが、暴力をふるわれているのを目撃したこの日。

帰宅後、まそらに状況を確認する。

まそらは、

・支援学級の知的級に移りたい。

・○○君(5年生男児)は3年生になったらいなくなるけど、中学校に行ったらまたいるから行かない(まそらは、中学校も6年あると思っていた)。

・高校も行かない。

などと言う。

どうやら、先生がいないときに暴力をふるわれているようだった。

 

これは、いかん!

と、翌日、連絡帳にその旨を書き、持たせる。

この日の登校時も、5年生男児の行動は目に余るものがあった。

・まそらの机の上に置いてあった小学生新聞をぐしゃぐしゃにする。

・まそらが紙と割り箸で作った時計を壊す。

・まそら宛に、担任の先生からのメッセージが書かれたフセンをビリビリに破る。

 

そして、さらにその翌日。

つまりは、暴力行為について記入した連絡帳を提出した翌日。

登校すると、しばらくして通級指導教室の先生が教室に来られる。

そのしばらく後に今度は教頭先生が来られる。

「連絡帳を校長も読んだ。学校として対応する。話し合いの日程を組ませてほしい。」

とのこと。

次いで、担任の先生が来られ、

「可能な限り対応する。」

とおっしゃる。

 

すぐに対処していただけるのだなと少しホッとする。

 

そして、暴力行為を目撃した4日後、面談が組まれた。

 

 

●面談

面談は、特別支援学級の情緒級の担任と、知的級の先生とで実施された。

以下、2人の先生より。

・朝の受け入れ体制が取れていなかった。

・当面は誰かがいるようにする。

・○○君(5年生男児)はかっとなりやすい。

・○○君が暴力をふるったら止めに入るようにし、他の児童同士の激しい喧嘩を見せないようにする。

と言われる。

 

その他、まそらの最近の様子について、説明を受けた後、先の記事で挙げた、

「何の教科をどこで受けるかは年度当初で決まっている。年度途中で変更することはできない。「自立」、「からだづくり」、「国語」、「算数」、「道徳」は特別支援学級で。」

という話をされたわけである。

 

こちらからは、改めて通常学級での時間を増やしてほしいと伝え、さらに、

発達の専門医が、「5年生男児が卒業するまで、通常学級で過ごす時間を可能な限り増やした方がよい」と言っている旨を伝えた。

 

 

●学校のその後の対応は

5年生男児の暴力行為について連絡帳に書いた翌日から3日間ほど、登校時、特別支援学級には先生がおられた。

5年生男児は、男性の先生がいると、まそらには何もしてこなかった。

 

その後は、まそらが登校して、しばらく経ってから先生は来られるようになり、いつの間にか来られなくなった。

私がついているから大丈夫という判断がなされたのだろうか?

 

「可能な限り対応する。」ねえ・・・。

「可能な限り」というのは便利な言葉だ。

さほど、重視はされないのだなと思う。

 

 

●暴力行為、その後

そうして、その後、特別支援学級にて、また色々と起こっていく。

以下、まそらの発言や様子。

 

【6月】

・「暴力は振るわれなくなったが、チクチク言葉を言われるようになった」と言う。

・まそら用に新しく作られたパーソナルスペースの小部屋が「5年生男児に壊された」と、夕食も食べずに泣き続ける。「○○(5年生男児の名前)、やめろ!」、「○○、壊すな!」、「いなくなれ!」などと延々と自宅で叫ぶ。

・担任の先生より、まそらの行動に腹を立てた5年生男児が、まそらの作った工作をビリビリに破って壊し、まそらが激しくショックを受けて大荒れだったと連絡がある。5年生男児は後で謝ったとのこと。

・帰宅時、右の眉毛付近に赤いアザができており、本人に確認すると、5年生男児に本で何度も頭を叩かれたと答える。

 

【7月】

・「用事を作って、学校を休みたい」と言う。

・登校時、昇降口で5年生男児に遭遇し、怖がって自分の下足箱に靴を入れることができない。結局、特別支援学級ではなく、1年生の下足箱に靴を入れる。そして、「特別支援学級の教室に行きたくない」と言う。連れて行くだけ連れて行き、ランドセルを置くだけ置いて、登校後の準備はせずに1年生の教室に連れて行く。帰宅後、「2学期から1年生の教室に移って、○○君がいなくなる3年生でまた戻ったら?」と提案すると、「それがいい」と言う。

・朝、「小学校に行きたくない」と言う。

 

そうして、1学期末の面談が行われた。

 

 

●1学期末の面談

この面談の内容は主に3点だ。

・教科学習(特別支援学級・交流級)の様子

・生活面の様子

・家庭での様子

 

3点目の「家庭での様子」について、担任の先生より訊ねられる。

以下、私が伝えた内容。

・いつもニコニコしている子だったが、笑顔が少なくなった。

・「殺す」、「死ね」などとよく言うようになった。

・精神がすさんでいるように感じる。

・5年生男児を嫌がっている。怖くて特別支援学級の下足箱に靴を入れられなくなった。

・教室に入れない日もあった。

・5年生男児が怖くて、「用事を作って休みたい」、「明日から夏休みになればいいのに」などと言う。

・今、まそらの頭の中は、5年生男児のことで一杯。他に楽しいことを考えることができない。

・「2学期から1年生の教室に移って、○○君がいなくなる3年生でまた戻ったら?」と提案すると、「それがいい」と言った。

・今は6年生男児が5年生男児から守ってくれるらしいが、来年は卒業してしまうので「お助けがいなくなる」と言っている。

・通常学級に行かせたかったものの、「安全」と「他の児童への迷惑」を考え、特別支援学級を選択した。が、安全ではなく、暴力をふるわれている。このままここに在籍していることが本人のためになるのかと思う。

特別支援学級(情緒)を2クラスに分けて5年生男児と離すか、まそらを通常学級に移すしか解決策はないのでは?

・今は「行きたくない」で済んでいるが、「行かない」と言い出したら、どうすることもできない。不登校になったらどう対応すればよいのか。

・兄まひろも、5年生男児が怖いと日記に書くことがある。

・このままいって、彼の精神的な成長に問題が生じないか心配。

・「学校に行かない」と言い出す前にリスクを回避したい。

 

上記の発言を受けて、担任の先生は、

「夏休み中に、他の先生方と協議する」

とおっしゃったのであった。

 

そして、迎える2学期。

 

 

●2学期の様子

2学期が始まっても、担任の先生からは「協議」の結果を教えてはいただけず、変わらず特別支援学級に足を運ぶ。

9月初めにこちらから訊ねてみた。

 

先生からは、

「支援会議を開いた。まそら君の学びの場として最適なのは特別支援学級。通常学級だとどこかに行ってしまったりするので、対応が必要になる。

5年生男児の暴力の問題は、

・家庭でもよく言ってもらっており、以前より、暴力は減った。

・5年生男児が、かっとなったときは、2人を引き離すようにする。

・2学期に入り、暴力が減った○○君に対し、まそら君が、今度は僕の番だと言って、嫌なことを言ったりしたりしている。

と言われる。

 

実際の様子は、、、

【9月】

・再び、特別支援学級の下足箱を使うようになった。

・登校時、歩くのが遅いまそらを急かして、5年生男児がまそらを後ろから押し、まそらがそのまま転倒してしまうことがあった。

・登校時、暴力こそふるわれないが、まそらの言動にキレた5年生男児が、拳を振り上げ、大声で叫びながら、追いかけてくることがあった。

・下校時、頬に出血はないものの赤い線状の傷ができていた。本人に聞くと、5年生男児に蹴られたと言う。先生はその場にいたが、見ておらず、蹴られたことには気づいていないないとのこと。

 

【10月】

・登校時、まそらの発言に腹を立てた5年生男児が、手加減しつつも、まそらの腕をギュッとつかんだり、まそらの首に手をやりギューとおさえつけたりした。

・登校時、5年生男児がまそらの髪の毛を引っ張り、さらに座っているまそらをつま先で蹴る。次第にエスカレートしていく中、私がまそらをかばいながら朝の準備をさせ、1年生の教室に連れて行く。

 

【12月】

・登校時、5年生男児が、まそらの上靴を床に叩きつけた他、まそらの手の甲をパシパシ叩き、指先(爪)をまそらの手の甲に押し付ける。

・5年生男児が、まそらの腕を引っ張る。まそらが痛いと言ってもやめない。また、まそらの頬を指先でつまみ、まそらが痛いと言ってもやめない。

・兄まひろが、自宅にて言う。「5年生男児は、(2学期になっても)暴力をふるってくるので怖い。まそらも暴力をふるわれている。先生はその時いない。」

・登校時、昇降口にて、5年生男児が、まそらの上靴を床に叩きつける。

・まそらのランドセルを床に落とし、蹴りつける。

 

そして、冬休みに入り、

・まそらが、自宅にて言う。「5年生男児がチンチンを叩いてくる。毎日ではないが、やられる。8時25分には教室に戻らなくてはいけないが、先生は8時30分にならないと来ないから、そのときにやられる。」

 

 

●どうすればいいのか

毎朝、5年生男児からまそらを守りつつ(守りきれていないが)、朝の準備をさせ、1年生の教室に連れて行く。

かなり疲れるのである。

これは、親の仕事なのか。

 

「安全に過ごしてほしい」

「1人1人に合わせて、丁寧に見てもらえる」

そう思って、特別支援学級を選んだはずだったのだが・・・。

いい加減にしてよ、と思う。

 

私がいないとき、そして先生もいないとき、まそらの「安全」はどうなっているのか。

不安でしかない。

もう、登校後(だいたい7時55分)、8時半まで私が学校にいるしかないのだろうか。

 

報道によれば、学校というのはブラック企業さながらな状況なわけで、先生方には余裕なんてないのだろうと思う。

朝、1人の教員も特別支援学級に配置することができないのだ。

が、黙っていても始まらない。

来月に組まれている面談で、再度、対応の必要性を訴えてみようと思ってはいるのだが、きっと何にもならないのだろうな。

 

 


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