やめてほしい、小学校でのタブレット使用

苛々を通り越し、怒りすら覚えるのは、鉄・タンパク質不足のせいだろうか?

 

さて、

我が家には、小学1年生の双子の

兄まひろ(多動傾向、通級指導教室利用)と

弟まそら(ADHD自閉症スペクトラム障害、支援学級〈情緒〉在籍)

がいる。

 

2学期に入り、私の中で急速に懸念が強まっていた学校でのタブレット端末の使用

先日、担任外の先生より話を聞き、

「もう、勘弁してよ!」

と泣きたい気持ちになった。

大げさかもしれないが、子どもが「放射線を浴びました」くらいのストレスで、脳がギューっと縮むような感じがした。

順を追って記す。

 

●小学校でのICT教育の推進

ICT教育の推進とやらで、双子が通う小学校も1人1台のタブレットが配布された。

 

脳科学者の澤口俊之先生は、スマホタブレットなどのデジタル機器の使用は脳の発達を阻害する」と言われている。

 

なので、我が家はきっぱりと使用をやめたのである。双子が年中児のときより、スマホもテレビも一切絶ってきた。

スマホが大好きだった双子に画面を見せないようにするのは、それはそれはもう大変であったのだが、強い覚悟のもとに徹底して断行してきたのだ。

 

もちろん、デジタル機器が本当に「脳の発達を阻害する」のかどうかは私にはわからない。

が、我が家は危うきに近寄らずの精神で、リスクのある事柄は、可能な限り回避するようにしている。

 

例を挙げるなら、「小麦」。

グルテン」がよくないとはよく聞くが、真偽はわからない。澤口先生は似非科学だと言われている。

が、小麦を食べなければ、生活に打撃を受けるかと言えばそんなことはない。パンや麺類を食べなくても生きていくことに支障はない。なので、リスク回避として、栄養療法を始める前から、小麦は極力食べさせないようにしてきた。

 

更にもうひとつ例を挙げるなら、予防接種。

ワクチンに防腐剤として含まれるチメロサール有機水銀である。それを知ってからは、可能な限り、チメロサールフリーのワクチンを病院に依頼してきた。そして、今年に至っては、ついに、インフルエンザワクチンの接種をしないことに決めたのである。

 

本記事で問題としているデジタル機器の使用についても、英会話を動画で学習させられたらいいのにと思う程度で、その点を除けば、使えなくても別に困らない。

なので、スマホやテレビ、DVDの類は、リスクファクターとして我が家の生活からは徹底して排除してきたのである。

 

現在、私にとっての最優先事項は、子どもの発達障害の改善である。それが全てにおいて優先される。至らない点も多々あるが、やれる限りのことに取り組んできたつもりだし、現在も取り組んでいるつもりだ。本当に「必死」にやってきたのだ。

 

にもかかわらず、学校が、ポーンと安易にタブレットを双子に持たせるわけである。

双子弟、まそらの担任の先生には、機会があるごとに、

タブレットの使用は脳によくないらしいので、使用は最低限にしてほしい」

と伝えてきた。

 

●気になる行動

そんな中、2学期に入り、双子弟、まそらの様子がなんだかおかしいと思うようになった。

年少のときに見られていたが、今ではすっかりなくなっていたまそらの「首を振って走る」行為が再発した。

前を確認せずに走るので、物にぶつかって転倒することが急に増えた。

 

加えて、クルクル回る行為。こちらも全く見られなくなっていたのに、9月に入り、急に再発した。

 

何?

タブレット

 

と思い、担任の先生に、

タブレットの使用はできればやめてほしい」

と改めて伝えたが、

「ICT教育の推進で・・・。コロナで家庭でのオンライン授業でも必要になりますし・・・。」

とバッサリ切られる。

 

しかしながら、双子から話を聞く限りでは、まそらのタブレット使用度は、通常学級に籍を置くまひろをかなり上回っているように感じられた。

もう下校時に立ち話をするレベルではなく、きちんと時間をもらって話をしなくては、と思うようになった。

 

が、まそらには、もうひとつ変化が見られていた。

通常学級で過ごす終わりの会での様子だ。

1学期、まそらは大抵教室前をウロウロしていた。

ところが、2学期に入り、着席している姿が見られるようになった

これは、かなりの驚きだった。

 

そして、タブレットの使用に目くじらを立てるのはやりすぎかとの迷いが、私の中で生じるようになった。

どうしようかと、ぐずぐずしているうちに、10月も下旬になり・・・。

そんなある日のことだ。

 

●算数の先生と話す

下校時のことだ。

担任の先生が不在で、その日1日、まそらの支援学級を担当してくださっていた先生とお話する機会があった。

その先生は、日頃、まそらの算数を見てくださっており、これまでも時折お話する機会があった。

 

「今日は、タブレットで作り方を全部自分で調べておもちゃを作りました。私の授業(算数)でもタブレットを使って勉強しているんですよ。」

 

あ〜、やめて。

と内心で思う。

そして、そのまま、タブレットの話をしばらくすることになった。

担任外の先生ではあるが、まそらが教わっていることに変わりはない。

 

以下、私からの話。

・我が家としては、タブレットは極力使わせたくない。

・デジタル機器の使用は脳の発達を阻害すると言われて、家ではスマホなど一切使わせていない。脳の発達を阻害するという論文も出ている。

・全国学力テストで1位になったりする秋田県は、ICT活用が全国平均を下回っている(補足:2019年全国学力テスト正答率ランキング(都道府県別/小中学生合算)では、大型提示装置整備率が最下位)。タブレットの利用と学力向上とには、相関関係はないのでは?

・2015年OECDの学力テストでも、学校にパソコンが多く、閲覧時間が長いほど生徒の学力が低いという結果が出ている。デジタル機器の使用は、本当に必要か?

・デジタル機器は、私自身、大人になってからの使用でも、別に困らなかった。

・本人たちから聞く限りでは、まそらは、まひろよりタブレットをよく使っている様子。

 

以下、先生より。

・確かに多いかも。まひろ君の場合は、鍵のかかったロッカーにしまわれていて、先生に言われたときだけ取りに行って使う。まそら君は、支援学級にずっと置きっぱなし。

・デジタル機器は、必要ないとは思わない。が、適切に使用しなければならないと思う。

・まそらくんの場合は適切とは言えないと今日感じた。中毒になっている。使わせないと、「使いたい、使いたい」となって、手に負えなくなる。

・地図が好きで、そればかり見たがる。

 

え?と思う。

「○○先生(担任)には、使用は最低限でとお願いしているのですが、地図って授業に関係ないですよね?」

「そうですね。」

 

そう、今、まそらには、地図ブームが来ており、カーナビをものすごく見たがるのである。

そして、だんだんエスカレートし、家の中でもスマホタブレットで地図を見たいと言うようになった。

更には、つい先日、朝、目が覚めるやいなや、

「(スマホで)地図を見せて」

と言うので、

「駄目です」

と返すと、寝転んだまま私を蹴りつけてきた。

暴力をふるってまで満たしたいほどの強い欲求。

もう見過ごせるレベルではない。

 

算数の先生との話で、そういうことかと、思い返すことがあった。

10月に入り、「タブレット使用についての同意書」へのサインを学校より求められた。

その際、まそらの担任の先生が、

「家庭にまでタブレットを持ち帰ると大変だと思いますので・・・」

と言われたのだ。

 

どういうこと?

と思ったが、家で使う気などサラサラないので、そのときはそのまま聞き流した。今回、その発言の意味するところが明らかになった形だ。

要は、まそらが、学校で手がつけられないほどにタブレット使用に執着しているということだ。

 

どれだけ使わせているの!と思う。

おそらく、担任の先生はタブレットを使いたいというまそらを制御しきれず、我が家の感覚からすればありえないほどの時間、授業の内容とは無関係に使わせているのではないか。

 

我が家が、発達障害改善のために、日々地道に取り組んできたことを、脳のことをよく勉強もしていない人間に、ハンマーで叩き壊されていくような感じ。

 

澤口先生は、デジタル機器の使用は「例え短時間であっても駄目だと言われている。

しかし、学校というところは文科省の管轄下にあり、ICT推進に逆らうことなどできないことは理解できる。だから、「最低限にとどめて」とお願いしているのに、「中毒」になるほど、授業に関係なく、無制限に等しいレベルで使わせているとは・・・。

怒りを覚える。

 

算数の先生との会話は続く。

「中毒って・・・。まったく使わせないようにするしかないのでは?」

「それもありですね。」

 

「2学期に入り、異常行動が見られるようになった。年少児のときに首を振って走っていたが、そうしたこともうはなくなっていた。が、また最近首を振って走るようになった。それで、物にぶつかり転倒することが増えた。クルクル回るのも、治っていたのに、またするようになった。

タブレットの操作は、自然界ではありえない速さで画面が動き、過刺激になる。デジタル機器の使用をやめても、自ら刺激を作り出そうとして、扇風機を見たり、自分が回転したりするようになる。」

「確かに、他の児童と比べて、まそら君は操作のスピードが速い。しかし、支援学級の子どもには、タブレットが有効なこともある。目の悪い子に音声で読み上げたり、耳の悪い子に見やすく表示できたり。」

「そうですね。そういう話はよく耳にする。しかし、脳は負荷をかけなければ発達しないという話もある。視覚支援などともよく言うが、支援していては脳が鍛えられず、発達が阻害されるとも聞く。」

「そうなんですか?」

 

「ICTとは言うが、(使わないことも含めて)児童に合せて柔軟に対応できるのが支援学級なのでは?」

「私も勉強します。担任とも話してみます。」

 

というところで、「長々とお時間をとりましてすみません」とお詫びを言い、双子と帰路についた。

 

本来なら、担任を通すべきだが、流れで話し込んでしまった。

「担任と話します」

に、委ねてはいられないと思う。

普段、どの程度タブレットを使用しているのかきちんと確認しなければならない。

学校に、まそらの脳を破壊されてはたまらない。

 

動く。

本来、学校というのは協力関係を築くべき存在であるのに、戦う相手になろうとは・・・。

まそらが通常学級にいれば、こんなに好き勝手にタブレットを使うことなどできなかっただろうと思うと、支援学級を選んだことが悔やまれる。

支援学級の弊害はタブレットだけではなく、他にもあり、悩ましいことだらけだ。

年長児のとき、

「支援学級に入れて、専門家に任せとけばいいんだよ」

などと言っていた夫が、今では、

「来年度も支援学級なんてありえない」

と言うようになったほどだ。

 

まずは、まそらのタブレットの使用状況を確認し、

タブレット使用による脳への弊害を再度説明する。

そして、それを否定できるデータの提示を求める。

タブレット使用が脳の発達を阻害しないという信頼のできるエビデンスが得られるなら、何も問題はない。

無知で、騒ぎ立ててすみませんでしたと謝罪すればよい。

 

強い決意と覚悟で。

引くなよ、私!

 

 

●参考までに

澤口俊之先生が根拠とされている論文(Hutton,2019)に関して(注:Huttonの論文ではない)。

「MRIs show screen time linked to lower brain development in preschoolers」より、一部引用。

Now a new study scanned the brains of children 3 to 5 years old and found those who used screens more than the recommended one hour a day without parental involvement had lower levels of development in the brain's white matter -- an area key to the development of language, literacy and cognitive skills.

https://amp.cnn.com/cnn/2019/11/04/health/screen-time-lower-brain-development-preschoolers-wellness/index.html?__twitter_impression=true

より。

 

まそらは、「preschoolers」に該当しないからと安心する気はまったくない。

 

なお、原著論文はこちら。

Associations Between Screen-Based Media Use and Brain White Matter Integrity in Preschool-Aged Children

 

 

東北大学川島隆太教授の研究

https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2018/07/press20180710-04-internet.html

 

 

その他

「デジタル教科書」は子どもの学力を下げる? 先行する韓国では「学習効果なし」

https://www.dailyshincho.jp/article/2021/06051056/?all=1

 

 

 


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