「知的な遅れ」が改善した要因を整理する③ 「運動」

我が家の年長児の双子弟、まそらは、自閉症スペクトラム障害だ。

彼は、3歳の時に「療育手帳」を取得したのだが、昨年の春にその適応を外れ、返納。

昨年11月に受けた新版K式発達検査でも「知的な遅れはない」と、特別支援教育コーディネーターさんより言われるに至った。

 

そこで、「知的な遅れが改善した要因を整理する」ことを始めたのだが、

先日、発達の専門医より、

「新版K式発達検査は知能を見ていない」

と言われてしまった。

 

それに伴い、「知的な遅れが改善した要因を整理する」のシリーズを今後どうするか迷ったが、「改善した」ということにポイントをおいて、継続していこうと思う。

 

今回は、運動面の事柄について、記載していく。

 

 

●走る

我が家は、双子を年中児の3月(2020年)より走らせるようになった。

1月末時点で、11ヶ月走らせていることになる。

 

走らせている理由だが、

ひとつには、いわゆる専門家から、

「外で、紫外線を浴びながら、有酸素運動をすることが、知能を高める」

と言われたためでもあるし、

 

東大の研究グループが、2019年に、

自閉症マウスに運動をさせたら自閉症様行動が改善した」

といった主旨の論文を発表したことにもよる。

 

www.u-tokyo.ac.jp

 

気になっていても、時間に追われる我が家。

そして、いつも疲れている私。

外で毎日走らせるなんて・・・、となかなか取り組めずにいたのだった。

が、年中児の終わり、「やれることは何でもやる」と気持ちを引き締め直し、走らせることを開始した。

ついでに、取り組みの実践状況をきちんと記録に残し始めた。

 

まずは、1日、10分から。

ちょっとであっても、継続することが大事だと考え、無理のないところから始める。

 

雨や、子どもの体調不良時を除き、原則毎日外で走らせる。

悪天候の日は、室内で頑張らせることもあるが、少雨なら、地面の状態を見て、レインコートと長靴で走らせてきた。

 

時間は、少しずつ増やし、

6月末には、20分、

12月からは、30分走らせるようになった。

 

なお、実施状況は、

2020年3月1日~2021年1月31日の337日中

247日

となっている。

ざっと7割の実施率だ。

もっとやれていると思っていたが、確認してみると意外にできていなかった。

 

8月は、驚異的な暑さの日があり、グランドを1周させて終わりとした日もあった。

また、12月下旬から1月中旬にかけては、天候がかなり悪く、グラウンドの状態が悪すぎて、なかなか走らせることができなかったりもした。

 

走る・・・。

簡単なようで、できない。

降園時、グラウンドに連れて行き、

「走りなさい」

と言ったところで、双子弟、まそらは走らない。

土をほじくり返したり、ダンゴムシで遊んたり・・・。

一方、兄まひろはよく走った。こちらはもとより身体を動かすのが好きなのだろう。有り余るほどのパワーで、ひたすら走る。

 

競争だ!

とか、

ごっこだ!

とか言って、まそらを何とか走らせようと試みる日々が続いた。

 

が・・・、さほどうまくはいかない。

次第に、

「走らない人は(車に乗らず)歩いて帰ってきて!」

などと、脅すようにもなった。

 

そうして、秋になったある日、グラウンドに誰かが書いた落書きが残っており、それを道に見立てて双子がよく走った日があった。

そこから、広大なグラウンドに、足でひたすら線を引く日々が始まる。そうしないと、双子たちは線を引いて道を作ることに熱中し、走ることがおろそかになるのだ。

 

私は、まっすぐな線を引いたり、曲線を引いたり、ケンケンパと丸を書いたりした。双子たちは引いた線の上を嬉しそうに走る。

 

線は、2、3日は薄くなりながらも残っているが、雨が降れば当然消えてしまう。

毎日毎日、薄くなった線を引き直したり、新しく引いたりすることになったが、それにより双子たちがよく走るので助かった。

 

そして、線があることにより、次第に3人一緒に走るようになった。

そう、実は、園の帰りにグラウンドで走っているのはうちの双子だけではなかった。

双子兄、まひろの執拗な誘いにより、もう1人「走る」ことを習慣にしたお子さんがいるのだ。

そのお子さんのお母さんも、「運動させたい」と考えておられたので、うちの双子は結局、常に3人で走ることになった。

最初のうちは、まひろとそのそのお子さんとがひたすら足の速さを競っており、まそらが1人で勝手なことをして遊んでいる状態だった。

 

しかし、線で作った「道」の上を走るようになってから、気づけば3人まとまって走るようになった。

「信号が赤、止まって!青になった、行くよ!」

などとまひろが言い、その後ろを他の2人がぞろぞろと続いて走っている。

 

澤口俊之先生の著書によれば、

「ちょっと危険な外遊びを3人以上でするのがよい」

とのことで、「危険」ではないが、「3人」という条件は満たした状態で「走る」ことができるようになった。これは、私としてはとてもありがたいことだった。

 

ただ、ひとつ困ったことがある。

靴下がすぐに駄目になってしまうのだ。仕方のないことではあるが、頻繁に買わなければならなくなった。

 

気になる効果だが・・・、

わからない。

残念ながら、まったくわからない。

 

まそらの身体は、細マッチョから、若干ムキムキ目に変化しつつある。

コロナ対策による手洗い・マスク効果かもしれないが、丈夫になったのか何なのか病院受診の回数が格段に減った。

挙げられる変化があるとするならそれくらいだ。発達障害に関しての具体的な変化は、11ヶ月が経過した現在、特には感じられない。

 

 

●キャッチボール

キャッチボールは、澤口俊之先生の著書に有意だと書かれている。

また、林成之氏の著書、

『ちゃんと集中できる子の脳は10歳までに決まる』

でも、集中力を高めるとして、勧められている。

 

我が家は、年中児(2019年)の夏頃から取り組みを意識するようになった。

ひとまず、1日5回。

たった5回だが、取り組めたり取り組めなかったり・・・。

 

しかし、「走る」ことと同様に、年中児3月より、きっちり取り組み始めた。

目標回数は1日20回。

キャッチボールとはいえ、双子は私が山なりに投げたボールをキャッチするだけだ。投げはしない。

最初の2週間ほどは、取り組めたり取り組めなかったりだったが、それ以降はほぼ毎日取り組めている。

子どもが集中を欠き、あまりにキャッチできない日は、30回、40回と回数を増やした。

 

キャッチボールというのは、

動くボールをしっかり見るという「集中力」が必要だ。

どこに落下してくるのかを推測する力も必要。

動いているボールをキャッチすべく手足を動かすことも必要となる。

 

年中児の頃はさほどできなかったまそらだが、今ではだいたいキャッチできるようになっている。

 

 

●水泳

水泳は、年中児の4月より始めた。もうすぐ2年になる。

発達障害の改善は特に意識していない。

全身運動で、膝などにも負担がかからないし、単に体力をつけるのによいと思ったからだ。

加えて、まそらの喘息改善の狙いもあった。

 

現在でも、バシャバシャ水で遊んでいるようにしか見えないが、喘息は確実に改善した。

以前は治療薬を毎日服用していたが、休薬してもう1年以上が経過している。

まあ、水泳の効果かどうかはわからない。

 

温水とはいえ、低めの水温で身体を冷やしてしまっているようなのが気になるところだ。バシャバシャしている程度では、汗をかくほどには身体は温まらない。

 

水泳については、「走る」ことと同様、身体を動かすという点において、多少はよい影響があるかも?という程度だ。が、一応、紹介しておく。

 

 

●療育とリハビリ

澤口俊之先生が、アンチ療育であられるので、念の為、年中児の7月から療育の利用は休止している。

発達の専門病院でのリハビリもやめたかったが、専門医の診察と連動しており、双子の状態を客観的に知るために、やめる決断ができなかった。

双子のリハビリ中の様子は、医師にきちんと報告されているようで、医師は診察の参考にしておられる様子だった。

 

療育を受けなくなったからといって、双子の状態が悪くなるというようなことはなかった。

改善や成長が滞っていると感じたこともない。

療育は、未だ、「辞める」ではなく「休止」の形をとっており、そろそろ就学後どうするかを決めなければならないと思う。

夫は再開させたいようだが、私は違う。

 

先日、療育施設の小学校クラスを見学させていただいた折、不安に感じることがあった。

児童2〜3人に職員さんが1人ついての粗大運動。多動なお子さんたちを職員さん1人では制御しきれていない。目が行き届かない場面もあり、子どもが危ないと感じた。

そして、取り組んでいる内容が、幼児クラスと大差ないように見えた。もちろん、障害の程度はお子さんそれぞれなので、そのお子さんにはそれが必要な取り組みだったのかもしれない。

 

そして、多動や自閉など、特性のある子どもばかりが集まった独特すぎる環境。我が子も発達障害であるわけだが、環境から受ける影響が気になる。

 

何を「普通」とするかは難しいところではあるが、平均的な環境に身を置き、一般的な感覚を身に着けてほしいと思っている私としては、うーん・・・となってしまうのだ。

幼児クラスのように小学校クラスも個別制であったならば、考えることは違ってきたかもしれない。

 

私としては、ポニースゥイングなどのつり下げ遊具で遊ぶより、外で身体を動かした方が我が子にはよいのでは?と思う。

療育施設は、夏休みなどの休暇中の利用を検討する程度にとどめたいところだ。

 

が、それには、発達障害関連の本を1冊も読んだことのない夫を説得しなければならない。時間も労力も無駄でしかない。

 

 

■食う寝る遊ぶ

ところで、

個人的に、何となく思うのだが、

子どもは、結局、「食う寝る遊ぶ」が大事なのではないか。

 

ひたすら身体を動かして遊ぶことにより、

・自分の身体を思い通りに動かすために脳を使う

・脳を含め、血流が良くなる

・酸素が運ばれ、代謝が活発になる

・栄養も血液に乗って全身に運ばれる

・筋肉がつき、体温が高くなり、酵素反応が促進されて、代謝が活発になる

・汗をかくことにより、有害物質を体外に排出する

 

その他、きちんとした食事を摂ることで、脳に栄養を届け、

しっかり寝て、成長ホルモンなどの分泌を促し、脳内のアミロイドなどの有害物質の排出を促す。

 

「食う寝る遊ぶ」は、どれが欠けても駄目だと思う。

 

 

毎日走っているから、運動しているからと言って、何か直結するような改善が見られるわけではない。

しかし、やる価値はあると考えているので、これからも継続していくつもりだ。

 


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