定型発達児との差は、本当に広がるばかりなのか?

我が家には、小学2年生の双子の

兄まひろ(多動傾向)と

弟まそら(ADHD自閉症スペクトラム障害

がいる。

この4月、弟まそらは、特別支援学級から通常学級に移った。

 

●思い出される発達の専門医の言葉

園の年長児のときのことだ。

発達の専門病院にて、医師がおっしゃる。

「一般的に、定型発達児との差は広がっていく。」

「同年代の子との遊びにも、ついていけなくなるだろう。」

 

この言葉は、改善を信じて日々頑張っている私に、とてもとても強く響いた。

今でも、ことあるごとに思い出される言葉だ。

 

この春、小学2年生となったまそら。

はたして、医師の言葉の通り、定型発達のお子さんとの「差」は広がっているのだろうか?

少し考えてみる。

 

●2年生になり、兄まひろが弟まそらをバカにしなくなる

さて、2年生になって、兄まひろが言う。

「僕は、まそらみたいに頭がよくないから・・・」

 

え?

今、なんて?

なんと言いマシタカ?

と、我が耳を疑う。

 

昨年度、ひたすらまそらをバカにしていた兄まひろ。

「支援学級のくせに!アホが!」

と、まそらに毎日のように暴言を吐いていた。

 

これはイカン!

ということで、私は常々、まそらができていて、まひろができていないときをすくい上げ、まそらがいかに有能であるかを、執拗にまひろに示してきた。

 

それを、ちょっとやりすぎてしまったか?

と振り返る。

別に、兄まひろの自己肯定感を下げようとしていたわけではないのだ。

 

まそらが通常学級に移ったことで、まひろは、今年度から、

「支援学級のくせに!」

というセリフをまそらに対して使えなくなってしまった。

私としては、よかった、よかった、という感じだったのだが・・・。

ただ、そうした暴言を吐かなくなっただけでなく、

「僕は、まそらみたいに頭がよくないから・・・」

とは・・・。

いったい、まひろに何が起こったのか?

 

 

●園時代のまそらと、新版K式発達検査の結果

かつて、まそらは、「療育手帳」を有していた。

だが、園の年中さんの終わりに受けた検査では「知的な遅れはない」ということで、「療育手帳」は返納した。

年長児のときの就学前教育相談においても、K式を受けたが、やはり「知的な遅れはない」となった。

当時、私としては、知的な遅れがないなどとは、とても思えなかった。

発達の専門医からも、

「K式は知能を見ていない」

と言われたこともあって、最終的には「数値上はそうなのだろう」というくらいの認識にとどめていたのである。

 

 

●現在のまそらの知能は?

そして現在、小学2年生となったまそら。

はたして、定型発達児との差は広がったのか?

 

1年生の終わり頃からだろうか。

兄まひろより、まそらの方が深く思考していると思われるケースが増えた。

まそらは、脳の特性のためか、気になったことはじっくり考える。

一方、兄まひろは、面倒くさいことを好まないので、深く考えることを嫌う。

 

こうした脳の特性による行動の差異が、日々積み重なった結果、能力の伸長に結構な違いが生じているように思う。

じっくり考えるまそらは、脳をしっかり使い、鍛え、シナプスのネットワークがしなやかに成長している、、、ように思われる。

 

例えば、絵本。

読み聞かせの後に、

「どうして〇〇は□□になってしまったのか?それは、☓☓だからだと思う。」

というようなことを言ってくるのは必ずまそらである。

明後日の方角のことを言っていることも往々にしてあるが、それでも自分なりに考えるということはとても重要なことだと思う。

音読の宿題にしても、「どうして〇〇なのか?」と内容を考えながら読んでいるのが傍目にもよくわかる。

 

一方、兄まひろは、音読においては、字面を追うだけで、

宿題だから読みました

ハイ、終わり

という感じだ。

 

算数においても、じっくり考えるまそら。

5月の懇談会では、担任の先生より、

「算数のテストでは、多くの子が苦手とする難しい問題も解けていた。」

と言われる。

 

一方、兄まひろ。

計算など、すぐに、「わからない」「できない」「もうやらない」などと言う。

頑張ればできる力はあるのに、努力することを嫌うのだ。

 

そして、そうした日々が積み重なって、今に至り、現在は、おそらく、まそらの方が学力は高いと思われる。

兄まひろも、おそらくそのことに気づいている。

だから、

「僕は、まそらみたいに頭がよくないから・・・」

といった言葉が出るようになったのではないかと思うに至るのである。

 

兄まひろを定型発達児と完全にみなすことはできないかもしれないが、彼は、発達障害の診断もおりておらず、小学校も通常学級でスタートした。

その、概ね定型発達児である兄まひろとまそらの「差」は、かつて医師が言われたように、はたして本当に広がっているのか?

 

身体能力については、わからないが、「知能」については、決して広がってはいないと思う。

むしろ、兄まひろより、高い能力を身につけていると思われる。

まそらは、今では、算数をまひろに教える側となっているのだ。

 

まそらの「じっくり取り組む」特性により、今後、大きく差をつけられるのは、むしろ定型発達の兄まひろの方なのではないか。

このままいくと、いずれ、兄まひろは、ほぼすべてのことにおいて、まそらにおいていかれるのではないか。

この頃、強くそう思うのである。

 

日々、小さな努力を厭わず積み重ねられるか否か。

これが、元々の「脳力」の差をカバーしていけるか否かにつながっていくのではないか。

そして、こうした挽回は、幼児期だからこそ可能なのではないか。

 

医師の言葉。

「一般的に、定型発達児との差は広がっていく」

これは、あくまで一般的な話なのだ。

 

子どもの可能性を否定しないこと。

伸びると信じること。

そして、日々、コツコツと努力を重ねること。

こうしたことが、とても大切なのだと思う。

 

これまで、言葉では言い表せないほどしんどい日々だったし、今もしんどいことに変わりはないが、ずっと頑張ってきてよかった。

そう、思う。

そして、これからも、地道に頑張ろうと思うのである。

 

 

●まそらの課題

思考力の部分では、もう「遅れ」を感じることがないまそら。

しかし、他のところでは、やはりどうしても弱さがある。

いくら難しい問題が解けたとしても、テストにおいては、集中して時間内に解ききらなければ、評価には結びつかない。

 

彼の課題。

・集中できず、注意散漫

・うっかり、ぼんやり

・行動が遅い

・こだわりが強く、気持ちを切り替えられない

・コミュニケーションがとりにくい

・手先が不器用

・記憶することが苦手

 

脳の前頭前野の機能に問題があるとはよく言われるところであるが、まそらは兄まひろと比して、「集中」と「記憶」に、明らかな弱さが見られる。

なので、まそらについては、これまで澤口俊之先生の「数字カード法」を軸に置き、「集中力」と「記憶力」の向上に力を入れてきた。

 

数字カード法以外では、

見ることに集中するために、

「点描写」の教材に取り組み、

 

同じく、見ることに集中し、更に記憶力を高めるために、

「視覚的記憶」の教材に取り組み、

 

聞くことに集中し、記憶力を高めるために、

「お話の内容理解」などの教材に、

園時代から取り組んできたし、今も取り組んでいる。

日々、取り組む量は決して多くはない。

「ちょっと」を毎日継続してきた。

 

なお、「視覚的記憶」については、我が子の現在のレベルに合う教材が見つからず、ついに私が自分で作って、取り組ませるようになっている。

 

そして、こうした机上の取り組みの他に、

「食事」、「睡眠」、「運動」も、とても重要だと認識している。

だが、我が家は、「運動」が不足しがちだ。

食事にも、宿題にも時間がかかりすぎるため、運動のための時間が削られてしまうのだ。

宿題をやめて、運動をさせた方よいのではないかと思うくらいだが、現在、実行はできていない。

 

 

●Announcement

以前の記事にて、

・フェルデンクライス(1回8000円)と

・そろばん(1ヶ月4400円?×2人)

を始めたいので、資金を捻出する方法を妄想していると書いた。

そのイタイ妄想のひとつを現実化してみた。

双子のために自作した視覚的記憶の教材の販売を始めたのである。

無料にて大抵のものが手に入るこのご時世。

素人が作った教材など1冊も売れない可能性の方が高いとは思う。

わかってはいるが、何でもとりあえずはやってみることだと思う。

現在、視覚的記憶の教材(PDFファイル)をダウンロード形式で販売中。

1冊、130円で、無料サンプルも用意。

メルカリ同様、匿名での購入が可能。

 

視覚的記憶教材以外にも販売を考えているものがあり、そちらも準備を進めている。

ただ、販売を開始するのはいつになることやらという感じだ。

そして、ネット販売よりも、もうちょっとマシな資金捻出方法にも取り組み始めた。

妄想は広がる。

 

また、ぼちぼち記事にしていこうと思う。

 


f:id:rumraisinn:20220601223104j:image

プチトマト。花芽形成。順調。

 

 

 

 

 

★視覚的記憶教材を下記サイトにて販売中

rumraisinn.booth.pm

ちなみに、双子が取り組んでいるのは、「Ⅳ−③」。

覚えられそうで、覚えられない。