我が家には、小学1年生の
双子兄、まひろ(多動傾向、通級指導教室利用)と、
双子弟まそら(ADHD+自閉症スペクトラム障害、支援学級〈情緒〉在籍)
がいる。
6月に体験に参加したものの、その後の練習には一度も参加していなかったバスケットボール・・・。
先日、ついに練習に初参加したので、その様子を記す。
●なぜバスケットボールなのか
まずは、なぜバスケットボールをするのかということなのだが、それは、やはり、もちろん発達障害の改善のためである。
脳科学者の澤口俊之先生によれば、発達障害改善のためには、「足を使うスポーツを屋外でする」のがよいらしい。
要するに、「サッカー」だ。
しかし、引っ越した当初、サッカーに関する情報はなく、バスケットボールチームの情報だけ手にすることができた。
情報がないという以前に、そもそも、サッカーにはいくつか難点があるように思われた。
・雨の日の練習は?
・夏場の暑すぎる日は、体力的に無理なのでは?
・スパイクシューズは危なくないか?
・ヘディングの衝撃は、脳にダメージを与えないか?
・広いグラウンドで、弟まそらはコーチの指示通りに動けるか?(ウロウロするだけにならないか?)
などなどだ。
一方、バスケットボールは、紫外線にあたることはできないが、天気に関係なく、グラウンドよりは狭い面積の体育館で練習をする。スパイクシューズもヘディングもない。
サッカーが理想的だとしても、弟まそらにはバスケットボールの方が現実的に思えた。
後日、サッカーチームもあることを知ったが、上述した理由により、多少迷いはしたもののバスケットボールをさせることに決めたのだった。
●バスケットボールの体験に参加
6月。
小学校生活に慣れてきた頃を見計らって、バスケットボールの体験に参加した。
兄まひろは、まあまあコーチの指示に従い頑張る。何かと褒めてもらえて、機嫌よく取り組んでいた。
一方、弟まそら。
彼は、いつも通りウロウロしている。体験なので強く注意されることもなく過ごす。気まぐれに、練習に参加するが、指示通りの動きをするのはまそらには難しく、結局離脱するのであった。
ちょっとキビシイかな〜と思ったが、練習を終えて、これからやってみたいかどうかを問うと、2人とも「やる」と答えた。
まそらが「やる」と言ったのは意外で、何度も確認したが、何度聞いても「やる」と言うのだった。
●体験に参加して思ったこと
体験に参加してみて、親としてもやらせたいと思うに至った。
理由は以下の通りだ。
・チームの人数が適切(10人ほど)で、コーチの目が行き届く。
・人数が多くないので、順番を待ってただ見ているだけの時間が少ない。ひたすら動き続ける。
・指導が本気。お遊びや趣味のレベルではまったくない。上を目指していることがよくわかる。
・コーチが、厳しくもあり、優しくもあり、甘ったれなうちの双子にはちょうどである。手を抜けば叱られ、頑張れば褒められ・・・アメとムチで双子のメンタルも成長しそうだ。
ただ、難点がひとつ。
平日の練習は、夜間に実施されるため、早寝の双子は参加することができない。なので、結局、月に2回しか練習に参加できないのだ。この点がかなり残念。毎週、土曜日か日曜日に練習があればいいのにと思うが、仕方がない。
●モノをそろえる
バスケットボールを始めるからには、何かと準備が必要だ。
バスケットボールシューズ、専用ソックス、ユニフォーム類、ユニフォームが届くまでの当面のウェア・・・。
体育館というものは、外で履くようなスニーカーは駄目らしい。
だが、バスケットボールシューズは履けるサイズがまだないかもしれないので、その場合は室内用に作られたシューズ(バドミントン用など)でもひとまずは良いと言われる。
スポーツ用品店にとりあえず行ってみる。
バスケットボールシューズは、サイズはあるにはあったが、お値段はなかなかだ。
7,590円!
すぐにサイズアウトしてしまうのに高〜い!
「ちゃんと頑張ってやってよ〜!」
と双子に声をかけずにはいられないのだった。
●練習初参加
チームへの入会を決め、準備を整えたものの、コロナ自粛で練習が行われない日が続く。
もしかして、このまま一度も履かずにバッシュはサイズアウトしてしまうのでは・・・。
と、思っていたら、ついに、やっと、ようやく、練習に参加することができた。
事前にまそらに言う。
「ちゃんとやらないと、もう来ないでくださいって言われるよ。コーチに言われたことをきちんとやりなさいよ。」
そして臨む当日。
まずは体育館の雑巾がけから。
しかしながら、雑巾がいるという連絡を事前に受けておらず、今回は双子はすることができなかった。
続いてウォーミングアップ。
円になって行う。
やれているような、やれていないような・・・。
しかしながら、驚くことに、弟、まそらが離脱せずに取り組む。
体験のときとは大違いだ。
そして、ランニング。
体育館内をぐるぐる走る。
うちの双子だけがすぐに休む。
そして、バスケットの基本動作をしながら、体育館の端から端まで移動する。
難しくて、まそらはほとんどできない。ウロウロしがちになる。
まひろは、できないなりにも、頑張っていた。
ここまで、2人とも、離脱したり戻ったりしながら練習に参加。
まそらに至っては、体育館の外に出て行ってしまうことも何度かあった。それでも、体験のときよりは、はるかにちゃんと練習に取り組んでいた。
問題は、まそらが、指示通りの動作ができないということだ。おそらく、言われた動きを正確に理解できないのだろうし、その通りに身体を動かす能力もないのだろう。
うーん・・・と思いながら双子を見ていたら、保護者はそろそろ帰るようにと促された。
しかしながら、「ではでは、お願いします」とすんなり帰ることができない事情が我が家にはあった。
バスケットをこれから指導していただくにあたり、まそらのことをコーチにきちんと伝えておかなければならない。
なぜこの子はこんなに指示を聞かず、好き勝手に行動するのか?
という疑問は、誰であっても当然出てくるはずだ。
まそらがいくら言ってもその通りにやらないのは、本人の意志ではなく、脳の機能上の問題であり、本人にもどうにもできないということをコーチに理解しておいていただかなければならない。
本人が意志を持ってやらないということも、もちろんあるだろうが、どうであれ、基本的には、
「ちゃんとやりなさい!」
などといくら言っても、無駄なのである。
彼は、やらないのではなく、やれないのだ。
しかしながら、
ああ、そういうお子さんね。
じゃあ、やれなくても仕方がないね。
と、彼への要求レベルを下げてもらっても、それはそれで困るのである。
大変に勝手な話ではあるが、、、
配慮してもらいたいという思いと、「発達障害」の枠にはめて、限界を設定されたくないという思いとが常に常に交錯する。
障害に配慮しつつも、彼が目指せる限りの高みを目指させてほしいと、どうしても思ってしまうのだ。
だが、もしコーチにそう伝えたとしたら、きっと
「無茶を言うな」
と返ってくることだろう。
他人に多くを望みすぎてはいけない。
●コーチに伝えたこと
コーチには、まそらについて、以下のようにお伝えした。
・ADHDで、支援学級の情緒クラスに在籍。
・多動で注意散漫。
・言われたことが耳に入らない。
・ウロウロする。
・検査上は、知的な遅れはない。
・ご迷惑になるようなら(入会は取りやめるので)言ってほしい。
コーチからは、
「まずは、保護者なしでの様子を見てみる。手に負えなさそうなら、連絡する。」
と言われる。
「よろしくお願いします。」
と言って、体育館を後にする。
練習終了後、コーチより言われる。
「○○をするよう指示を出すと、最初は2人で始めるが、しばらくするとやめてしまう。
人にぶつかってこけると、痛いからもうやらないと言ってしなくなったこともあった。
楽しんで帰ってもらうのが基本だが、楽しいことだけではない。ルールもおぼえて身につけていかなければならない。
面白くなってきたら、しっかりやるようになり、集中力も体力もつく。
挨拶もできないような、どうしようもない子もいたが、今ではちゃんと挨拶するようになっている。
しばらく様子を見させてもらう。
家でバスケの話をしたときは、聞いてやってください。」
とのこと。
テストの合否結果を聞くようなドキドキ感。
ひとまず今後も練習に参加させてもらえることになってホッとする。
こういう緊張感。
一般的なご家庭では体験することがないのだろうなと思う。
我が家は、やらせてもらえるかどうかの確認が常に最初に必要となる。
「発達障害なのですが、ご指導いただけますか?」
スイミングスクールもピアノも、まずはそのことを確認した。
障害について誰かに説明する際は、はねつけられないだろうかといつも心がこわばる。
身構えて、話す。
多くのことに、始める前からいつもハードルを感じてしまう。
●費用
バスケットボール。。。
さて、費用はどのくらいかかるのだろうか。
ざっと以下の通りだ。
年会費:4,000円✕2人
月会費:1,000円✕2人
遠征費:その都度、徴収
ユニフォームやパーカーなど:約15,000円✕2人
親のパーカー:約10,000円(1着分)
*試合のときは、親もチームのパーカーを着るらしい
これが一般的な金額なのかどうかはわからないが、ご参考までに。
●夫の反応
最後に、夫の反応について。
練習と試合のスケジュールを見て夫が驚く。
「試合だらけ!こんなにあるの?土曜も日曜も試合で埋め尽くされてる!休日があぁぁ〜。」
などと言うではないか。
おいっ!
よもや、自分だけ試合に行かずに、好きに過ごしたいとか言うんじゃあるまいな・・・。