我が家の双子は年長さん。
兄まひろは、ADHD疑いで、弟まそらは、自閉症スペクトラム障害だ。
度々、記載しているのだが、我が家の双子は、行動が遅い。
特にまそらの食事は、毎回2〜3時間かかり、私にとって大きなストレス要因となっていた。
朝食なら、
6:00 食事開始
→学習→歯磨き→キャッチボール→着換え→
8:40 出発
と進んでいくのだが、弟まそらは朝食を食べ終わることができず、車におにぎりを持ち込むのが常となっていた。
就学を考えると、このままではイケナイ。
小学校の登校時間は、引っ越しを予定しており、正確にはわからないが、7時半前後だろうと推測する。
7時半・・・。
だいたい、この時間までに、すべての準備が完了していなければならない。
双子兄、まひろについては、もう随分前から、「7時に朝食を終える」ように言ってきてはいた。
しかし、「7時まで!」と、単に時間を伝えても彼には難しいので、一品ごとに時間を区切った。
だいたい6時に「いただきます」をして、
「卵、6時10分まで!
食べ終わった?じゃあ次。
ジャガイモ、6時15分まで!
食べ終わった?じゃあ次。
ピーマン、6時20分まで!
野菜の煮物、6時30分まで!
後、残り30分よ!急いで!!
今から、おにぎりが10分で6時40分?牛乳とヨーグルトが10分で6時50分?サプリメントが5分で6時55分?
考えてね、ギリギリよ!
・・・・・。」
といった感じだ。
食事中、タイマーも活用しつつ、何度も何度も時間を言い続ける。
それで、ようやく、だらだらしていては時間内に食べ終わらないということが理解できるようだった。
まひろは、
「うんちに行った分、時間を延長して〜」
などと訴えてきたりもしたが、
「小学校の始まる時間はうんちしようがしまいが変わりません。時間までに食べ終わってください」
と突っぱねた。
一方、弟まそらについては・・・、
てきぱき食べるのはとても無理でしょう、という感じで、「残さず食べる」ことを長らく目標としてきていたのだった。
が、もうそろそろ「何とかしなければ」という思いが強まる。
7時30分に家を出られるようにするための方策として、いくつか考える。
①もっと早く起きる?
いやいや、無理でしょう。睡眠は大事でしょう。
②食事のボリュームダウンを図る?
いやいや、駄目でしょう。何のために「栄養療法」を受けているのですか。
③朝の学習のボリュームダウンを図る?
いやいや、人並み以上に勉強しないと、授業にはついていけないでしょう。
④小学校まで、車で送る?
いやいや、自立が遠のくでしょう。そもそも、親の送迎が認められるとは限らない。
というわけで、特に、まそらには突然のこととなったが、10月上旬のある朝、7時より10分早めて、
「6時50分までに、ご飯を食べ終わってください」
と、2人に言い渡すことになった。
そして、理由を説明する。
「4月になったら、小学校に入学する予定です。朝ご飯を早く食べ終わらなければ、小学校には間に合いません。え、何?来年も園に行くの(実際は行けないのだが)?お友達はみんな小学生になって、お勉強して、どんどん賢くなるのに、あなたたちは、ずっと園に行くのですか?そうですか。では、ランドセルはいらないですね。捨ててしまいましょう・・・」
ネガティブな言葉が良くないのは重々承知だが、危機感をあおる。
そして、付け加える。
「時間までに食べ終われば、ご褒美をあげます・・・」
ご褒美は、
・お菓子(芋けんぴやおかきなど、小麦を使っていないものを少量)
・お絵かき帳と色鉛筆
・折り紙
などだ。
我が家は今、遅すぎる食事の対策のひとつとして、食べながら遊ばないよう、おもちゃ全般をきっちり片付けてしまっている。
なので、やることをやって終わらせない限りは、おもちゃでは遊べないのだ。
そして、戦いが始まる。
「6時50分までだよ!あと○分しかないよ!」
「遅いくせに、何をしゃべっているの!黙って食べなさい!!」
「あれ?小学校に行かないから、ご飯も食べずにうろうろして遊んでいるの?あら、そうなの〜?」
「え?ご飯食べないの?遊ぶの?じゃあ、もうご飯を作るのはやめるわ!晩ご飯は、その辺の草でも食べて!!」
「何が小学校だ!ランドセルなんていらーん、捨ててしまえーっ!」
「やるべきことをやらない人間は、この家から出て行けーっ!」
「お母さんの言うことを聞かず、好きにしたい人は、すべてのことを自分の力でやって!園にも自分で歩いて行って!車には乗せません!!」
などなど・・・。
大声で、脅し以外の何物でもない言葉を次々と吐く。
決して、奨め薦められることではない。
まそらは、
「小学生になったら、もっと早起きして食べるんだ。小学生になったら、早く食べられるようになるんだ」
などと、言っていたが、
「今できないことが、どうして急にできるようになるのですか。今、できるようになってください」
と、兄まひろと同様に突っぱねた。
まそらについては、能力的に早く食べられないのだと半ば思っていたのだが・・・。
気づけば、早く食べるようになった。
まずは、家を出るまでに、完食するようになり、車におにぎりを持ち込むことはなくなった。
兄まひろがあまり遊ばずに食べるようになったので、遊び相手のいなくなったまそらも、つられて食べるのが早くなった形だ。
まそらのスピードアップはさらに続き、朝食後の学習タイム(6時50分〜7時10分、食べわ終わっていなくても学習開始)に食べながら、平仮名の練習などに取り組んだりして、学習タイム終了時刻までに、何とか食べ終え、学習も終えて、時間のつじつまを合わせる日も出てきた。
最近では、頑張って6時50分までに食べ終わる日も稀ではあるがあるにはある。
学習が終われば(7時10分目標)、歯磨き、キャッチボール、検温、着換えと進み、毎日ではないものの、何とか7時半頃に2人ともすべてのルーチンが終了できるようになってきた。
私が、大きな声で怒鳴り散らす時間も7時半で終了となり、ストレスにさらされる時間も親子共に減った。
ただし、その日の学習課題が少し難しいと、途端に大幅に時間を超過してしまう。この点は何か対策を考えなければならない。
それにしても、
結局・・・、
親(私)の本気
が、大事なのだ。
何が何でも間に合わせる、という「私」自身の決意と覚悟が、今まで足りていなかったのだと思う。
楽しいご飯タイムでは決してないが、小学校は見えてきた。
そして、ふと思う。
能力的に無理かもしれないと思っていた食事時間の短縮の成功・・・。
はたして、これは「親の本気」だけの問題だろうか?
もしかして、栄養療法の効果なのでは?と思ったり思わなかったり。
園においては、集会などの場で、座っていられることが増えているようだ。
先の運動会でも、驚くばかりの成長ぶりだった。
自分を律して行動する。
遊びたくても、食べたり、
遊びたくても、座って話を聞いたり・・・。
自分の欲求を制御し、したくもないことをするということは、「脳」が機能しなければできないことだと思う。
単に、学力的なことだけではなく、日常生活の様々な「困った」の改善が、実は大きな「脳機能」の向上を意味するのではないか。
例えば、
人の話を聞く。
てきぱき着替える。
おもちゃを我慢する。
時間を意識する。
片付けをする。
挨拶をする。
・・・・・。
ちょっとしたことなのだが、できないことの数々。
こうした些細な事柄の改善が、実は大きな意味を持つのではないか。
そんなことを最近思う。
(後24分だよ!急いで!! タイマー、活躍中)