先日、双子弟まそら(自閉症スペクトラム障害、年長児)が、「栄養療法」を受けるに際し、血液検査を受けた。
その結果に伴い、食事面においては、様々な変化が生じた。
弟まそらの血液検査結果は、先の記事にて記載しているが、再掲しておく。
☆一般血液検査で異常値だったもの
AST(GOT)49(基準値 8〜38、8月 44)
ALP 379(基準値38〜113、8月 1166)
LD 331(基準値124〜222、8月 314)
LDLコレステロール 175(基準値70〜139、8月 142)
総コレステロール 268(基準値130〜219、8月 221)
クレアチニン 0.35(基準値0.61〜1.04、8月 0.40)
尿酸 2.3(基準値3.6〜7.0、8月 2.7)
MCH27.1(基準値28.0〜34.6、8月 22.8)
好中球 33.0(基準値44.0〜72.0)
●検査結果について思うこと
肝機能に関連する項目の数値が悪い。
「ALP」については、身長が伸びる際に高値になるとのことで、さほど心配する必要はないらしい。
藤川先生は、ご自身のブログにて、「ナイアシン(ナイアシンアミド)」の摂取による肝機能数値への影響について、次のように書かれている。
高用量のナイアシンを服用すると、GOTやGPTなどの肝臓酵素が通常の2~3倍に上昇することがある。
これは、肝細胞の障害ではなく、ナイアシン投与による肝臓酵素機能が亢進し、一時的に肝臓酵素が血液中に放出されたものに過ぎない。
血液検査5日前からナイアシンを中断しておけば検査データは正常化する。
ナイアシンのポジティブな副作用とネガティブな副作用について~その2 | 精神科医こてつ名誉院長のブログ
より。
「一時的に」の文言が気になる。服用開始後、いったいどの程度の期間が「一時的」に該当するのだろうか。
まそらのナイアシンアミド服用開始は7月。「一時的に」と言うには長すぎるのではないかと思う。
そもそも、2月の時点で既に数値はよくなかった。
藤川先生は「サプリメントは安全である」とブログなどにて言っておられるが、はたしてとうなのだろう。
まそらの肝機能関連の数値が異常値である原因はいったい何なのか?
私にはわかりようもない。
コレステロール値については、医師からは、食事では改善しないと言われていたが、上がったり下がったりするところを見ると、食事の影響は確実に受けていると思われる。徐々に脂質の摂取量を増やしてきたことが数値悪化の原因だと考えざるをえない。
血液検査の結果を踏まえ、できる限りの取り組みを始める。
なお、弟まそらだけというのは、何かとやり辛く、兄まひろも乳製品とサプリメント以外はだいたい同じ対応をとった。
順に紹介していく。
●肉の摂取量:200gへ
タンパク質をたくさん摂取することは、「栄養療法」においてはスタンダードなことのようだ。
病院では、1食100gの肉を摂取するように指示があった。
藤川徳美先生も、ブログにて、
1日の食事の中で「卵3つ+肉200g+プロテイン20g(60cc)×2回+キレート鉄」を十分摂るようにする。
よくある疑問・失敗集~あるある〟その1ー「いきなり断糖して体調不良に陥る」 | 精神科医こてつ名誉院長のブログ
と述べられている。
しかし、
朝は、卵を3個。
昼は、給食を。
夜は、肉を100gで。
とは、いかない。
園の給食は、タンパク質の量はさほど多くはないのだ。
病院に、まそらの4日分の食事記録を提出するにあたり、園の先生より、給食の食材表をいただいた。
何を何グラム使っているかが、調味料に至るまで、すべて記載されている。
かまぼこや煮干しにいたるまでのタンパク源(大豆製品を除く)を合わせて計算してみると、平均して、1日当たり、約40gの肉が使われているようだ。
200−40=160g
160gが、家庭で補わなければならない「肉」の量ということになる。
今まで、肉は夕食で70g出すのみだったので、全く足りていない。
これは、大変!
と、思う。
弟まそらは、食べるのが遅い。
肉は特に苦手で、いつまでも口に残って飲み込めないのだ。
肉の量を増やすとなると、食事にかかる時間が今よりさらに長くなるのは避けられない。
まそらにとって、
おいしくて、
食べやすいもの。
これを追求していくことが、スムーズな食事進行の成否を握ることになる。
私は、料理は好きでも得意でもない。
はっきり言うならば、苦手だ。
が、とにかく、やれることからやろうと決める。
多少の「小麦」使用は、目をつぶることにし、市販の「素」も使ってみる。
例えば、豚肉。
量をこなすなら、薄くて柔らかい肉を選ぶことになる。つまりは、しゃぶしゃぶ用だ。
「プチッと鍋」を購入し、スープ仕立てを試みる。
ポーション2個に、水が300ml。
沸騰したら豚肉を投入。
分量通りだと、子どもにはかなり味が濃い。後で、かなり水を足した。ポーションは1個で充分だと思う。
豚肉に火が通ったら、マグに移して、毎日食べている野菜の煮物を上から加えてみた。味が濃いので、スープの量は控えめにする。
まそらは、気に入ったようだ。
ひとまず、よかった。
ただ、この日は、豚肉が1パック230gで売られていて、2人分(320g)には届かない。
なので、手羽元の煮物も作る。
フライパンで、焼き色をつけてから、煮物のタレで煮る。
手羽元は数本で確認したところ、平均するとだいたい1本30gで、骨が約10gだった。なので、肉の量としては、1本当たりおよそ20gということになる。
2本は食べてほしいところだ。
が、この手羽元。
兄まひろは好んで食べて、おかわりまでしたが、まそらは苦戦。いつまでも口に残り、2本食べるのに1時間近くを要した。
これは、ダメだ。
・・・・・と、
こんな感じで、現在、試行錯誤の日々を送っている。料理上手な人がうらやましい。
ちなみに、「プチッと鍋」のスープの残りは、捨てずにとっておき、翌朝、またスープとして使用した。
鶏挽き肉を炒めて、スープを投入。沸騰したら、溶き卵を2個分落として完全加熱。マグに移して、また野菜の煮物を加える。
まあまあ好評だったが、料理時間が増える。子どもの食事時間も増える。おまけに、まそらはお腹が一杯になり、米を一口も食べられなかった。
朝の肉料理は、何度か試みたが、我が家の場合、あまり現実的ではない。
となると、夕食のみで160gをこなさなければならないということになる。
鶏もも肉(2人分、320g)では、「鶏トマト煮」を使ってみた。
原材料に、「小麦」の記載はない。
「乳製品」の記載もない。
ついでに、カラメル色素も、植物油脂も、果糖ぶどう糖液糖の記載もない。
味が濃いことが想定されたので、1/3ほどの量しか使わず、玉ねぎを加えたり、水を足したり、勝手にアレンジした。
まそらは気に入ったようだったが、まひろは嫌がった。残念だが、2度と作ることはないだろう。
ついでに、「素」を使わない料理もご紹介。
まずは、ミートボール。
お弁当には、基本的にミートボールを入れる。たくさん作って冷凍しておけば、お弁当作りが楽だ。
今までは、1個当たり70gの豚挽き肉で作っていたが、100gに増量した。豆腐や卵を入れて作るので、1個当たりの総重量は115gだ。大きい。
1kgほど買ってきても、できるのは10個。つまりは、2人分だと5食分になる。これから、頻繁に作ることになりそうだ。
続いて、鶏もも肉(320g)と大根、ネギの炒め煮。
まあまあ好評。意外なことに、大根が人気だった。
こってり味がたまらない♪ 鶏もも肉と大根の照り煮のレシピ動画・作り方 | DELISH KITCHEN
肉料理については、時間を見つけては、ネットでレシピを検索するようになった。
簡単かつ、短時間でできて、双子が気に入りそうなレシピをひたすら探している。
●卵:3個へ
卵は1日3個食べてもよいとのことで、朝食の卵を1個から3個へと増量した。
小さな鉄製フライパン(20cm)で、6個(2人分)使ってスクランブルドエッグをしようとすると、なかなかに厳しかった。結局、3個ずつ作る。
子どもだけで、毎日6個消費するようになった卵。頻繁に購入しなければならなくなった。安売りの日に、普通に4パックを買い物かごに入れている自分に驚く。冷蔵庫で結構なスペースを専有し、ちょっと困る。
●お茶:麦茶→ルイボスティー→水へ
お茶は、ずっと麦茶だった。
が、グルテンフリーの観点で、「麦」製品は極力やめることにした。
カフェインもタンニンもフリーなものを探すと、ルイボスティーにたどり着いた。
早速、買ってきて飲ませる。
「おいしくなーい!」
「お薬の味がするー!」
と、2人とも飲まない。
水の方がいいというので、飲み物は麦茶から水に変更となった。
それならそれで、茶葉の農薬の心配もしなくていいし、よいと思う。
●調味料:グルテンフリーへ
「遅延型アレルギー検査」の結果を受けて、「小麦(グルテン)」をやめるよう指示が出た。
調味料で気にすることは、今までは、
・人工着色料
・植物油脂
くらいだったが、そこに「小麦」が加わる。
懸念した通り、スーパーに並ぶ大抵の調味料には、小麦が含まれていて、すっかり困ってしまう。
子ども向けの調味料をまずは買う。
次いで、グルテンフリーの「醤油」と「つゆ」をアマゾンで探す。
「四穀つゆ」:株式会社にんべん、と
「小麦を使わない丸大豆しょうゆ」:イチビキ株式会社
を購入。
初めて使ったときは、味に慣れないせいか、おいしくないと思ったが、醤油とつゆ、酒、みりんの割合を色々変えてみると、それなりにおいしく感じられるようになった。
双子もおいしいと言って食べる。
●乳製品:やめる
こちらも小麦と同様に、「遅延型アレルギー検査」の結果により、やめるよう指導があった。
牛乳はもちろん、ヨーグルトもチーズもバターもホエイプロテインもやめた。
●脂質:減量へ
我が家は、低糖質にも取り組んでいる。当然摂取カロリー量が低下する。低下した分を脂質にて補おうと考え、積極的に油を料理に使うようになった。
以前は、オリーヴオイルのみだったが、バターを使うようになり、さらにはラードを使うようになった。
栄養指導により、乳製品の摂取が駄目になったので、バターはやめた。そして、ラードに一本化する。
藤川先生が、動物性の脂質を推奨されているためだ。
使用する量は、徐々に増やしていたが、栄養指導を受けて、調理に必要な範囲の使用に留めるようになった。なので、ラード類からの脂質摂取は一時期に比べると若干減少している。
しかし、肉量が増加しているので、肉からの脂質摂取量は増えている。
●かかりつけ医の反応
かかりつけ医にも、受診に際して、栄養療法の病院での検査結果のコピーを一応お渡した。
医師からは、下記のように言われる。
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小児のサプリメント摂取は一般的ではない。
のめり込まないでほしい。
成長期に乳製品を避けることの害も考えなければならない。
アナフィラキシーを起こすようなレベルでもない限り、少量ずつアレルゲンを摂取して、慣らしていくのが現在のスタンダード。
完全な除去はしないようになっている。
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セレブな栄養療法の病院も相当居心地が悪いが、
かかりつけの病院でも、なんだか居づらい感じになってきてしまった。
黙っていた方がよかったのだろうか。
発達障害をなんとかしようと頑張っているだけなのだが、どこからも浮いていってしまう感じ。
マイナーな路線を走ると、医療やその他機関からの視線が、なんだか厳しく感じられるのは気のせいだろうか。
占いや、迷信を信じている・・・。
そんなレベルと大差ないように見えるのかもしれない。
●「栄養」に関する書籍
藤川徳美先生の
『薬に頼らず子どもの多動・学習障害をなくす方法』は、
内容が具体的で実践しやすい。どのような栄養がなぜ必要なのかということや、必要なサプリメントと必要な摂取量が明記されている。
溝口徹先生の
『発達障害は食事でよくなる』も、
どのような栄養が必要であるのかについて記載されているが、藤川先生とは異なる部分(鉄・DHAなど)もある。サプリメントなどの必要量の記載はないので、いざ実践しようとなると難しいように思う。
なお、現在、栄養療法を受けている病院では、溝口先生が開発に携わられたサプリメントを使用している。
お2人とも、ホッファー博士の影響を受けておられるのは同じなのに・・・、進まれている方向は随分違うようだ。不思議。