双子たちよ、「オレ」って、何ですか?

園に通うようになると、どうしても「汚い言葉」をおぼえてくる。
特に、双子兄、まひろが色々と吸収して帰ってくるのだ。

●双子兄、まひろが「オレ」と言う
近頃、双子兄、まひろが、自分のことを「オレ」と言うようになった。都度つど、注意をしても、なかなかやめない。なので、先日、執拗に厳しく接してみた。

「オレは、(どうたらこうたら・・・)。」
「オレって何ですか?オレって何ですか?オレ、って何ですか?オレ、、、って、、、なん、で、す、か?何の、ことですか?」
黙るまひろ。

私は、さらに続ける。
「オレ、なんて、誰が言うの?言いなさい。」
すると、しばらく考える様子のまひろ。そして言う。


「先生が言ってる。」
「はあ?先生がそんなこと言うわけないでしょ?誰が言うの?」
黙るまひろ。

数ヵ月前には、何か聞くと、すぐに「○○君」と、あっさり白状していたまひろ。しかし、今回、頑なに口を閉ざす。
おそらく、彼は、名前を出せば、私がその子を叱りに行くとでも考えたのだろう。
いつも怒ってばかりの私だ。まひろがそう考えるのも無理はない。

4
歳にして、友達をかばう。私が「先生」には、丁寧に接することも、よくわかっているではないか。
叱りながら、「なかなかやるな、おぬし」と心中、感心したのだった。


●双子弟、まそらにとっての「オレ」
叱られている兄、まひろを見て、弟、まそらは言う。

「まそらは、きれいな言葉を使おーっと。」

その言葉の通り、彼は最近、自分のことを「ボク」と言うことがある。

しかし、思い通りに行かなくて、彼が怒り始めたときのことだ。

「嫌なことを言おーっと。オレ!オレ!」

と車の後部座席から、「オレ」を、投げつけてきた。

説明しておくと、彼は車で出かけた際、通る「道」にかなりのこだわりを示す。そして、その時、彼の望む「道」を通れなかったのだが、案の定、怒リ始めた。
以前ほどの強い癇癪は見られなくなったが、それでも、煩わしく感じるほどには執拗だ。

まそらは、「オレ」を親に対する「嫌がらせ」の道具として使う。こちらも、私が何を嫌がるのかよくわかっている。
まひろとは違う意味で、「なかなかやるな、おぬし」と思う。