我が家には、小学1年生の双子弟、まそらがいる。
彼は、ADHD+自閉症スペクトラム障害で、
現在、特別支援学級の情緒級に籍を置いている。
「特別支援学級から通常学級に向けて」の一連の記事においては、小学校側へ要望させていただいたことや、教育委員会で説明を受けたことなどを記載してきた。
今回は、1月末に行われた面談の内容について記す。この面談では、3学期にどのように動いていくのかについて最終的な話し合いがなされた。
出席者は、特別支援学級担任と、通常学級の担任と、特別支援教育の責任者先生と私の4人である。
●次年度より通常学級に移ることを本人に告知する時期について
通常学級に移ることを本人に告知するタイミングについて、特別支援学級の担任の先生より、次のように言われる。
・次年度より通常学級に移ることを本人に2月の2週目頃に伝えたい。
・理由は、2月中旬に特別支援学級への理解教育を行った後、通常学級での理解教育を実施したいため。
・まずは家庭で、2月初旬に伝えて欲しい。
え~、と思う。
以前、秋頃にまそらに通常学級に移るという話をしたときは、「自立活動」がなくなることを主な理由として、情緒が不安定となった。
2月初旬の告知は早すぎる。
「自立活動」のフェイドアウトが進み、通常学級で過ごす時間が増加して、その状態に本人が慣れてからの方がいいのにと思う。が、周りがみんな知っているのに、本人だけが知らないというわけにもいかないので、了承せざるを得ない。
●3学期の交流級について
3学期の交流級について、特別支援学級の担任の先生より、次のように言われる。
・「国語」と「算数」は2月中旬以降、様子を見ながらそれぞれ2時間ほど交流級で受けるようにする。
・2月下旬より毎週1回、交流給食を実施する。実施予定回数は3学期中に計5回。給食当番を1回はする機会を設ける。その際は、担任も付き添う。
・1時間目が交流級の日に、「朝の会」にも何回か参加。同様に「終わりの会」にも参加する。
・3月に、通常学級で終日過ごす日を1日設定する。本人に通常学級での1日の見通しを持たせる。
通常学級で終日過ごす日がたった1日のみ!
これでは、通常学級での生活に慣れることなどできない。
本人にとっては通常学級への「緩やかな移行」ではなく、4月に「激変」となってしまう。
先生に控えめに要望してみる。
3月は交流級で終日過ごす日を多く設定し、慣れておいた方が、4月がスムーズに迎えられると思うのですが・・・。
特別支援学級の担任の先生は、
本人の様子次第で増やす。暴言が出たり、やることがやれなかったりする場合は増やせない。
とおっしゃった。
さらに、通常学級の担任の先生は、
交流級で受ける体育については、ほとんど授業に参加できておらず、その他の授業も補助教諭がそばについて何とか課題を仕上げている状況。しかし、できることも沢山あるので様子を見たい。
終日、交流級で過ごすのは本人にとってストレスフルとなる。
1日を全て交流級で過ごすのは現段階では困難。
とおっしゃった。
「授業に参加できていない」
「ストレスフル」
「困難」
だから何?と思う。
そんなことを言ったところで、4月には毎日、終日、通常学級で過ごすことになるのである。
今できないことがどうして4月にできるようになるのか?
今、準備しないでどうする?
何のための3学期なのか?
と思う。
こちらから、質問させていただく。
12月の面談にて、
「交流級で過ごす時間を徐々に増やしてほしい」
と要望させていただいたが、実施は困難なのでしょうか?
すると、特別支援学級の担任の先生は、
卒業に向けて、特別支援学級としての活動がある。活動の予定は、まだ決定しておらず、交流級の予定を組むことは困難な状況。
とおっしゃった。
さらに、通常学級の担任の先生は、
授業は単元としてのまとまりがある。途中から入ってくるのは困難であり、徐々に移行していくことは難しい。交流級の時間は、以前よりは増加している。
「単元としてのまとまりがあり・・・」
ごもっとも、と思う。
しかしながら、特別支援学級での学習進度が遅れているとして、少し授業のペースを上げて通常学級に追いつくようにすることはできないものか?とも思う。
そして、そもそも、私は「学力」をさほど重視していない。
後で取り返しのきく事柄よりも、4月の円滑なスタートを優先させたいと思う。
特に、「算数」は授業など聞かなくても全く問題がない状態だ。1年生の内容はきちんと習得できている。
が、学校というところは「教育機関」なわけであり、授業がおろそかになるような事態など決して認められないのである。
「通常学級」で過ごすことに、予め「慣れておく」ことを重視する私。
「授業」をきちんと受け、「理解する」ことを重視する学校。
この辺りの認識のズレは、決して埋めることができない。
●授業中に教室を出るときのルールについて
前回の面談にて、授業中に教室から出て行く際のルールを前もって決めておいた方がよいと思うとお伝えしていた。
そのことについて、担任の先生より、次のように言われる。
・授業中は教員の目が届く教室内にいるのが基本。本人の安全が最も重要である。
・出て行った場合の行先として、図書室や保健室を想定したとしても、受け入れができるとは限らない。
・どうしても出て行く場合は、教室の前の廊下をぐるっと回って戻ってくるようにする。
・時計やタイマーを持たせるのは、時間に自分で気づけるなら構わないが、ぐるっと回って戻ってくるだけであるならば不要(前回の面談で持たせたいと要望した件の回答)。
・出て行くときは、自分から教員に申し出るようする。その際、本人にはカードを渡し、許可を受けて教室外にいることが誰にでもわかるようにする。
・本人が教室から出て行くことがあることを全校指導で周知する。
教室を出て行った場合の行先として密かに当てにしていた保健室。
結構広くて、教室2つ分くらいはありそうだ。
ちなみに養護教諭は2人(3人かも)はおられたと思う。
以前より、授業中にまそらを受け入れるのは難しいと言われてはいた。
保健室登校の児童、体調不良や怪我をした児童の対応をされる養護の先生。
そこにまそらがふらっと行って、10分、15分を過ごすことは、養護の先生にとって私などの想像を超えてご負担になるということなのだろう。
「過度の負担」ということであるならば、こちらからは何も言うことはできない。
先生方にお訊ねしてみる。
今の時点で、教室から出て行く際のルールを設定し、試しておくのは難しいでしょうか?
特別支援学級と通常学級の担任の先生は、次のようにおっしゃった。
・今、出て行った際の周回コースを設定し、本人に提示したとして、教室を出て行くことが楽しみになってしまっては困る。
・どうしても教室から出たい時はカードを持たせる。
・逃げ場は必要。出て行く回数に制限を設けることを検討。
・ストレスが溜まって教室から出て行きたい時は、何をすれば落ち着くのかや、何がしたいのかを事前に本人に確認しておく。現在は、連れ戻す方法しかとっていない。
・出て行って何かあったとしても誰も気づかない。この点をどうするのか考えなければならない。
・本人が納得しないと上手くいかないだろう。
不登校になることと、教室から出て行くことと、どちらを問題視シマスカ?
と思う。
まそらは、学校なんて好きでも何でもなく、仕方なく行っているだけなのだ。
「回数制限」なんてやめてほしい。
本人が自分の意思で教室にいられるようになるまでは自由にさせてと思う。
10分、15分程度、うろうろするくらい別に構わないではないか。
「校舎の中にいる」
「他の階には行かない」
「トイレや保健室など、行先を明らかにして出て行く」
そんな程度のルールでいいではないか。
ガチガチに縛って、学校に行くのが嫌になってしまったら、いったい学校には何ができるのだろう。
「だから、特別支援学級が適しているって言ったのに・・・」
とぼやいて終わりだろうか。
「教室から出て行って、何かあっても誰も気づかない・・・」
だから何デスカ?
朝、登校したって、授業開始までのおよそ30分間、特別支援学級には大人は誰もイマセンガ?
それとも何デスカ?
上級生に暴力はふるわれてイマスガ、朝は大人の目がなくても安全で、授業中だけが、大人の目がないと危険ということなのデショウカ?
それとも何デスカ?
朝は、母親の私が対応するのが前提となっていて、安全は確保されているという認識なのデスカ?保護者ありきの組織体制なのデスカ?
●着席時間について
特別支援学級の担任の先生より、次のようにお話があった。
・1月中旬より、トークンシートを用いた取り組みを開始している。
・1月末の現在、20枚近くシールがたまっている。
・調子がいいと頑張れるが、1枚もシールがもらえないこともある。
・今後も継続する。
トークンシートを活用していただくようになってから、まそらの着席状況は徐々に改善してきた。
平均的には20分ほどの着席で、3月上旬には45分間まるまる着席する日も出現。
充分だと思う。
20分着席して、10分うろうろ、その後15分着席して、授業終了。
上出来だと私は思う。
学校が私に言われなくても、もっと早い段階からトークンを開始していたら、もっとよい結果となっていたかもしれない。
「特別支援学級が最適」だと考えている人たちには、どうにかして立ち歩き問題を解決し、通常学級へ行かせようといった発想なんてきっと皆無なのだろうと思う。
●次年度の通級指導教室について
前回の面談で、ご都合が悪く不在だった特別支援教育の責任者先生から訊ねられる。
教育委員会より、通級指導教室の話が出た経緯を知りたい。
次のようにお答えする。
12月の面談にて「特別支援学級で過ごす時間は半分以上」という説明を受けたが、それが何に規定されているのかを市教育委員会に問い合わせた。
その際に、担当者から、
・特別支援学級で過ごす時間が8時間以上でないならば、通級による指導で対応するよう国が定めている。
・「自立活動」は週に8時間以上実施されないので、「自立活動」のみを特別支援学級に籍を置いて受けることはできない。
・通級指導教室は週に最大8時間組めるが、何時間「通級指導」を組むかは学校と相談してほしい。
と説明された。
特別支援教育の責任者先生は、
通級指導教室は、おおよそ通常学級でやっていけるが、一部困難のある児童が、通常学級に籍を置きながら指導を受ける場である。本人をこれからの2ヶ月でその状態に持っていくのは困難である。
現在、通級指導教室は週に1回、1時間設定されている。それ以外の4日間は自分の力で頑張ることになる。特別支援学級より支援はかなり少ないので、効果を上げられるかわからない。
これからの2ヶ月を準備にあて、本人に合わせた形で調整する。どのようなサポートが必要かを家庭とも相談して検討する。
通級指導の希望が通るかどうかを正式に保護者に伝えるのは年度が明けてからとなる。
と説明された。
前回の面談では、「受け入れは困難」と言われた「通級指導教室」。
どうやら、受け入れていただけそうな雰囲気を感じる。しかし、もし私が「教育委員会」の名前を出さなかったら通らなかったのではないかと思う。
受け入れに際して重要となるのは、子どもにとっての必要性ではなく、「教育委員会」の意向のようだ。
特別支援学級ではカリキュラムに組み込まれている「自立活動」。
しかし、「通級指導」による「自立活動」は、「通常学級でやっていく力のある児童」を対象としているので、「特別支援学級判定」であるまそらには利用資格がないとの話。
こういうところは杓子定規に法規通りなのだ。
「通級指導教室」は常に定員ぎりぎりなので、「通常学級でやっていく力のある児童」のための枠を「特別支援学級判定」のまそらが奪うことは許されないということなのだと認識する。
「最適なのは特別支援学級」という話だが・・・、
そこからはみ出てしまっての「通常学級」における「最適」が検討されることはないのだろうか?
制度からはみ出た児童への救済措置が、「教育委員会」の声なしに自主的に実施されることはないのだろうか?
もう、学校の方針というものは、私の理解の範疇を超えてしまっていて、理解することができない。
おかしいのは私なのか、それとも学校なのか・・・・・。
何をとってもこちらの要望は通りにくい。
・2年生になる前に通常学級に慣れさせたい。なので、通常学級で過ごす時間を徐々に増やし、最終的には終日通常学級で過ごすようにしてほしい。
・朝15分早く登校して「自立活動」に代わる工作をさせてほしい。
・授業中に教室から出て行った場合は、保健室や図書室などを利用させてほしい。
・次年度、通級指導教室を利用したい。
私(保護者)からのこうした要望は、概ね却下される。
だが、「教育委員会」の名前を出せば、何とかなる事項もありそうだ。
何かにつけ耳にシマスガ、「家庭との連携」って、何デスカー!
それは、いったいどうやって実現するのデスカ!!
第 二 章 教育の実施に関する基本
(学校,家庭及び地域住民等の相互の連携協力)
第十三条 学校,家庭及び地域住民その他の関係者は,教育におけるそれぞれの
役割と責任を自覚するとともに,相互の連携及び協力に努めるものとする
https://www.mext.go.jp/content/1413522_001.pdf