特別支援学級から通常学級に向けて⑤~1年生最後の面談~

我が家には、この4月より小学2年生となる双子弟、まそらがいる。

彼は、ADHD+自閉症スペクトラム障害で、

昨年度、特別支援学級の情緒級に籍を置いていた。

 

ここしばらくの間、「特別支援学級から通常学級に向けて」と題して記事を書いてきたが、今回でこのシリーズはひとまず終了とする。

次に学校についての記事を書くときは、通常学級での様子について記すことになると思われる。

 

さて、これまで小学校側とは何度も面談をし、通常学級にスムーズに移籍するための方法を模索してきた。

それに伴い小学校側には様々な要望を出させていただいたが、ほとんど通らなかったと言ってよいだろう。

中でも、

「3月の最後の2~3週間は、毎日すべての授業を通常学級で受けさせて、通常学級にあらかじめ慣れられるようにしてほしい」

という要望については、最終的には3日間終日(あるいはそれに近い形で)通常学級で過ごすということになった。

3週間の希望が3日間になってしまったのだが、それも新型コロナウィルスの感染予防対策のために予定変更を余儀なくされ、結局、わずか1日の実施となってしまった。

物事が上手くいかないのは、そして幸運を呼び込めないのは、私に笑顔が足りず、行いが悪いためかもしれない。

 

そんなこんなの3月中旬。

年度末の面談が組まれた。これは通常実施される定例の面談だ。

この面談では、この1年の振り返りがなされるものと想定していたし、次年度に向けて、こちらから最終的な要望を出したいと考えていた。

本記事では、この1年生最後の面談内容と、新年度、学校に要望したい事柄について記す。

 

●年度末の面談について

まずは、担任の先生より、終日通常学級で過ごした日の様子について説明を受ける。

上手く参加できた授業、迷惑行為のあった授業、問題行為のあった授業など、1時間目から5時間目まで順を追って1時間ずつ詳細に説明がなされる。

教室外に出て行くことはなかったが、教室内をうろうろすることはあったらしい。

 

おそらく、面談時間の8割は、通常学級で過ごしたこの1日の説明に費やされたと思われる。

内心、年度末の面談にて、1日の出来事にフォーカスし長時間を割くのはやめてほしいと思うが、どうにもならない。

そして、

・物作りを通して、他の人とコミュニケーションがとれるようになってきた。

・人の気持ちを考えられるようになってきた。

・暴言がなくならない。

・自己肯定感が低い。

などの話が、残り1割ほどの時間でなされた。

 

私としては、

この1年間を通しての課題、改善できたこと、成長したこと、次年度の課題、次年度の指導方針・・・・・

こうしたことについての詳細をもっと知りたかったと思う。

 

最後の1割の時間は私からの話。

先生のお話を受けて、例えば、暴言について次のようにお話させていただいた。

 

暴言は、特別支援学級で汚い言葉を覚えてきたことによる。通常学級のお子さんたちがどんなお子さんかはわからないが、日常生活で暴言を聞く機会がなくなれば、意識に上ることがなくなり、使わなくなっていくものと思われる。

 

などなど。

先生からのその他のお話についても、いくつかお話をさせていただいた。

 

そして、「次年度についてお願いしたいことが・・・」の時点で面談は時間切れとなってしまった。

担任の先生は、「次年度のことは次年度の担任に面談の際に・・・」と言われたが、4月中旬から下旬、それもコロナでどうなるかわからない面談をちょっと待ってはいられない。

しかも、次年度の担任の先生にお願いしたところで、「検討する」となり、どなたかの許可を得なければ動けないわけなので、結局誰を窓口に要望したところで同じことなのではと思うのである。

 

次の保護者の方がもう来られていたが、どうしてもの3点だけお伝えさせていただいた。

次年度は、

・席を一番後ろの廊下側にしてほしい。

・少なくとも1学期は登校していればよしとし、大目に見て、緩くしてほしい。

・教科書をデコレーションしたい。

この3点は、新学期当初から実施されていなければ効果がない。

とにかく、まそらが「学校には行かない!」とならないようにすることと、彼の「困り事を減らしておく」ことが私には最重要なのだ。

「通常学級になったけど、まあまあ自由にできるし、まあいいか・・・」

と思わせることが大事なのだ。

まずは彼が機嫌よく過ごせること。

その他の色々なことは、徐々にできるようになればよい。

 

次年度におけるこうした要望は、本面談では全てをお伝えすることができなかった。したがって、書面にまとめて、年度当初の面談を待たずに新年度の担任の先生に提出しようと考えている。

 

●新年度、小学校側に要望したいこと

上述した3点と合わせ、小学校側に配慮をお願いしたいことを以下にまとめておく。

なお、下記には、昨年末にご相談させていただいた専門家の方のアドバイスによるものも含まれている。

 

①席を一番後ろの廊下側にしてほしい

座席については、

配慮を要する児童=教員の目が届きやすい一番前の席

となりがちかと思われるが、まそらの場合は無用である。

一番後ろの席で、あまり目立たずに教室の外に出られるようにしたい。

また、着席していることを重視するのであれば、少々のことは黙認してほしい(後述)という目論見もある。

そして、できれば、周りはまそらに対し受容的なお子さん(仲良くなれそうなお子さん)や、まそらの問題行動の影響を受けにくいお子さんを配置してほしい。

 

②少なくとも1学期は登校していればよしとし、大目に見て、緩くしてほしい

学校が全く好きではないまそらにとって、通常学級は自由のないストレスフルな環境である。不登校リスクはそこそこ高いと思っている。最初からガチガチに着席などを本人に要求すると、「もう行かない!」となるのは目に見えている。

少なくとも1学期くらいは、登校しているだけでOKとし、他のお子さんの迷惑になる行為や、危険な行為でもない限りは、叱ったりせず大目にみてほしいと思う。

「通常学級」もそんなに悪くない。

そう思わせる1学期にしたいのだ。

が・・・・・。

 

③教科書をデコレーションしたい

特別支援学級とは異なり、30人を超える学級編成。自分のものと他人のものを瞬時に区別できるようにしたい。

なので、教科書類にはテープやシールなどを貼って目立たせ、本人だけでなく、できれば他のお子さんからも、まそらの持ち物だとすぐにわかるようにしたいと思っている。

結果として、失くし物を減らすことにもなるだろう。

 

これについては、より許可を得やすくするために、「名前シール」を自作してみた。

まそらの好きなイラストをネットから取ってきて、イラストの上に彼の名前をかぶせる。大小様々な名前入りイラストをWordに貼り付け、ラベル用紙(100円ショップにて購入)に印刷。

「お名前シール」の体裁をとっていれば、ベタベタと貼り付けても、そんなに目くじらをたてられないのでは?と思う。ただ、イラストを一つ一つラベル用紙から切り抜くのはかなり手間だ。

 

④授業中に、授業以外のことをすることを許可してほしい

授業中に教室外に出ず、「着席している」ことを重視するのであれば、一番後ろの席で目立たないように、

絵を描いたり、

絵本を読んだり、

工作(目立たない小さめのもの)をする

ことを許可してほしいと思う。

好きなことをしていいなら、「着席」させておくことは比較的容易になるのではないかと思われる。もちろん授業は聞くわけがない。が、「本人の安全が最優先」という話だったので、是非とも許可をいただきたいところだ。

 

⑤バランスクッション(バランスディスク)を使いたい

現在検討しているのがバランスクッションの使用。バランスボールのクッション版だ。

簡単には座っていられないため、何とかして座ってやろうと、違う意味で「着席する」努力をするのではないかと期待している。

「座る」ことそのものに意識がいくので、当然のことながら授業はまず聞かないだろう。私は全く構わないが、先生は「授業」がおろそかになるような事項を容認されることはまずないと思われる。

最終的には、正攻法でいくしかない。

「私ではなく、専門医が推奨しています・・・・。」

といった感じで話をするしか主張を通す方法はないように思う。

問題は、学校の椅子にサイズが合うかどうかだ。結構厚みがあるので、もしかしたら学校の椅子に置いて使うのは無理かもしれない。

 

⑥ストレスリリーサー(スクイーズ玩具)を使いたい

同じく、授業中に「着席している」ことを重視するのであれば、本人が気を紛らわせるためのストレスリリーサーを利用したい。

授業は聞かないだろうが、ストレスリリーサーで手遊びをすることで、退屈を多少はしのげるのではないかと期待している。

ストレスリリーサーには色々なものがある。握って遊ぶのが基本だが、握れば枝豆のサヤから豆が出てくるとか、カエルのお腹が膨らむとか・・・色々ある。

ちなみに、我が家には「タコ」がある。タコの足の先をへこませて遊ぶタイプのストレスリリーサーだ。こちらの商品は、残念ながら少し音が出てしまうので、授業中の利用には向いていない。しかも、まそらはすぐに飽きてしまった。

私も、このタコでストレスがどうリリースされるのか全くわからない。これはコーヒーなどと一緒で嗜好性がかなり高いグッズなのではないかと思われる。

まそらの好みに合い、音が出ず、飽きのこないシンプルなものを見つけたいが、種類の異なるものをいくつか用意する必要があるかもしれない。

 

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⑦通級指導の時間は、自由に工作をさせてほしい

なんとなくだが、利用許可が下りそうな「通級指導」。こちらについては、最初からまをらを何とかしようと張り切らず、自由に工作をさせてほしいというのが本音だ。

特別支援学級での「自立活動」は本来は「工作」のための時間ではないが、まそらはずっと「工作」に取り組んできており、彼の中では「自立活動」=「工作」となっている。

そして、まそらは「自立活動」が大好きなのである。彼は、つまらない学校生活の中で、この「自立活動」に唯一楽しみを見出し、我慢して登校していた。

通常学級に移ることにより、「自立活動」の授業はなくなってしまうが、「通級指導」の時間に同じように「自立活動」として「工作」ができれば、学校に行く「意味」ができ、彼のストレスが多少は軽減されるのではないかと思う。

多動性や、衝動性、不注意、コミュニケーションの問題などを改善しようと張り切ってもらう必要は全くない。そんなことより「小学校」が「楽しいところ」になるよう注力していただいた方がずっといい。

だが、・・・。

難しいだろうな、と思う。

本来、通級指導教室を利用する資格のないまそら。

ただ「工作をして遊ばせてください・・・」なんて、言えるのか、私?

コレハ試練ダ。。。

 

⑧給食では米をおかわりさせないでほしい

最後は栄養療法のお話。

園時代から、子どもたちには「給食で、お米のおかわりはしないで」と伝えていた。園時代は守っていたと認識している。

ところが、小学校では、どうやらお米のおかわりをしているようなのだ。

2人とも給食の量では食べたりないらしく、多めに米をよそってもらったりしているらしい。

「おかわりするならおかずにして」と本人たちに言っても守られないなら、先生に配慮していただくしかない。

糖質は管理栄養士さんによる栄養指導で、摂取量が決められている。給食でのお米の量は100gとして計算されているので、それが日によって異なっては、家庭で対処しにくい。

こちらは「学業」に無関係な事項であり、しかも「医師」および「管理栄養士」による治療行為であるので、おそらく却下されることはないだろう。

 

 

 

●新年度における要望の仕方を考える

子どもたちが言う。

「もう1年経った。あっという間だった。」

「早いなあ~。」

 

そうか。

子どもたちには早かったのか・・・。

きっとそれなりに充実していたということなのだと思う。

 

色々あったが、担任の先生にはお世話になった。

親でもイラっとする子どもたち。

根気よく接してくださったと思う。

指導力については・・・となることもあったが、お若いので経験不足による力のなさはやむを得ない部分もあるかと思う。誰にだって、未熟な期間は存在する。

しかし、そうした個の未熟さを補うのが組織の役割であると思うし、ご本人の努力が求められるところでもあろうかと思う。

 

結局のところ、大事なのは学校という組織のありようなのだ。

昨年度、担任の先生を通して要望したことの数々。

ほとんどのことは「検討します」と即答されることはなかった。

校長室か、あるいは職員室に座しておられるどなたかの確認・了解を得て、私への返答はなされる。

 

例えば、

・15分早く登校して工作をさせてほしい。

・通常学級で過ごす時間を段階的に増やしてほしい。

・3月最後の2~3週間は終日通常学級で過ごさせてほしい。

などの要望の数々は、多くの事項について「学校として、対応は困難」と返ってきた。

 

新年度、まそらの脳機能向上及び成長のために、私は私が信じることに変わらず取り組む。

そして、残念ながら、その取り組み内容は学校とは相いれないことが多い。

きっと新年度も、担任の先生の向こう側におられるどなたかと対立していくことになるのだろうと思う。

そう。対立は、VS担任ではない。

VS学校なのである。

そこをどう乗り越えていくか・・・。

突破口のひとつは、「権威」を利用することだと思う。

文部科学省が定めている〇〇では・・・」

教育委員会が・・・」

「専門医が・・・」

作業療法士が・・・」

などなど。

 

先生方から何度か聞かれたことがある。

「〇〇先生(作業療法士さん)は何て言われていますか?」

「〇〇先生(作業療法士さん)がおっしゃったのですか?」

今お世話になっている作業療法士さんへの先生方の信頼は絶大だ。

きっと人種として「権威」や「専門家」の言うことには、基本的には異を唱えない人たちなのだろうと思う。

 

なので、学校に対してメッセージを発信する際は、

「私が・・・」

ではなく、例えば、

「医師が・・・」

などと始める方が有効なのは間違いない。

 

何か問題が生じた際、「医師が〇〇と助言したにもかかわらず学校は・・・」というような事態になっては厄介だし、

逆に、問題が生じたとしても、「医師の助言に基づき対応しており・・・」と言うことができれば、学校に責任はないと言い逃れをすることができる。

 

コロナ関連でもよく目にする。

「保健所の指示を踏まえ・・・」

「学校医、市教育委員会と協議の結果・・・」

判断の責任を学校そのものにはおかないようにする姿勢。

 

どこまでできるかはわからないが、今後、私が通したいと思う事柄は、できる限り医師その他の方々に確認を取り、私の意見としてではなく、専門家(医師・作業療法士臨床心理士など)の意見として伝えるようにしようと考えている。

 

 

 

●購入検討中のグッズ。

購入したわけではないので、良し悪しは不明だが、ご参考までに。