自尊心を育成するための声がけ「お母さんの遺伝子をバカにする気か!」

我が家には、小学2年生の双子の

兄まひろ(反抗挑戦性障害+多動傾向)と

弟まそら(ADHD自閉症スペクトラム障害) がいる。

この4月、弟まそらは、特別支援学級判定だったものの、特別支援学級から通常学級に移った。 

 

 

弟まそらについてだ。

2学期に入り、このところ、

頭を叩く自傷行為の増加や、

「まそら君はクラスで一番頭が悪いんだ!」発言など、

メンタル面の崩れが気になるようになった。

 

いくら、「まそらは頭が悪くなんてない。かしこいよ。」と話しても、

「そんなことない!」と聞き入れない。

どうやら、今まで気にもしなかった周囲の様々な事柄が認識できるようになり、

自分と他の人とを比較して考えることができるようになったことが原因のようだ。

これは成長と言えば成長であるし、改善と言えば改善でもあるのだが、、、

それでメンタルが壊れてしまっては困るのである。

 

本当に人より劣っているのか、

それとも、劣っているように感じられるだけなのか、

客観的事実に基づき判断しなければならないが、そうしたことはまだまだ彼には難しいのだ。

 

誰しも、得手不得手があるわけであり、平均よりできないこともあるかもしれない。

しかし、そんなことは別段大したことではない。

生きていく上で、大きな障壁となりうるなら色々と考えなければならないが、

ちょっと走るのが遅いとか、

ちょっと字が下手だとか、

ちょっと計算が遅いとか・・・、

とりたてて大きな問題ではないと私は思う。

 

だが、本人には大変重要なことのようであり、こちらがいくら否定しても、

「まそら君は、頭が悪いんだー!」

とひたすらに口にするのである。

 

どうしたものかと思う。

まそらは、決して低学力ではない。

園時代は知的な遅れを心配していたが、今は全く問題ないと認識している。

 

そこで、違った角度から強引に挑む。

「まそらは半分はお母さんのDNAでできている(DNA・遺伝子については多少教えてある)。

お母さんは、言っておくけど、賢いのよ!

にもかかわらず、あなたの頭が悪いだなんて、お母さんの遺伝子をバカにする気なの!」

 

私が賢いということの真偽はここではおいておく。

この発言を聞いて、ちょっとひるむまそら。

だが、すぐに切り返してくる。

「半分しかないんだ!あとの半分はお父さんだからダメなんだー!」

 

わかるような気もするが、

ええい、仕方がない!

「何言ってるの!半分あるんだから充分でしょ!

それにお父さんも頭がいいよ!

英語なんてお母さんよりもできるんだよ!

ついでに言うなら、おじいちゃんも、おばあちゃんも頭がめちゃくちゃいいんだよ!

おじいちゃんなんて、英語がペラペラですごいんだからね!

ひいおばあちゃんだって並外れて記憶力が高いし・・・etc、

だから、その遺伝子を持っているまそらの頭も当然いいってことになるんだよ!

わかった?

わかったの?」

 

結局、直系親族のすべてが大変に賢い人ということになってしまった。

だが、それでもごにょごにょ言うまそら。

「でも、お母さんみたいにまそら君はできないし・・・。」

 

「はあ?

お母さんは、頭がいい上に、努力してきたの!

勉強はめちゃくちゃしたよ。

ピアノの練習も頑張ったし、

ラソン大会の前には、友達と一緒に朝走ったりしたし、

そろばんも検定前には、家でも練習したし・・・、

だから、こうやって色々できるお母さんになったの!

まそらも、努力をしなさい。

努力もしないで、できないと言うのはやめなさい!」

 

私がピアノの練習を頑張った?

いったい、いつ???

少々、嘘も混じるが、致し方ない。

 

不思議でしかない。

私自身は幼少期、人より劣っているなんて思ったことがない。

やれば何でもできると思っていた。

どうして、まそらには「できる」と思うより、「できない」と思う方が簡単なのだろうか?

長く生き、色々と挫折を経験した大人みたいだ。

 

さて、

「脳」そのものは優秀である。

問題なのは「努力」だ。

ということを理屈として理解したまそら。

とは言え、思考はすぐに「バカだから・・・」に傾いてしまう。

根気よく、「優秀である」ことを根拠に基づき説明し、褒めちぎるしかない。

ただ、褒めることに、わざとらしさがあってはいけない。

もう彼はこちらの意図を察知する力を持っている。

実際にちゃんとできていることを都度つど褒めて、「できる自分」をひたすら自覚させることが大事だと思う。

 

ちゃんと計算ができる自分、

ちゃんと漢字が書ける自分、

「宇宙」のことをよく知っている自分、

「宇宙」に関することを沢山おぼえられる自分、

ピアノが弾ける自分、

泳げる自分、

ドリブルができる自分、

努力ができる自分・・・・・

 

発達障害の改善と同様に、周囲の人間の日々の地道な働きがけが大きな力を持つと私は思う。

 


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