我が家には、小学1年生の双子弟、まそらがいる。
彼は、ADHD+自閉症スペクトラム障害で、
現在、特別支援学級の情緒級に籍を置いている。
小学校での面談のことばかり何度も書くことになっているのだが、昨年12月の2回目の面談にて、
特別支援教育の責任者先生より、
「居住地域の教育委員会にて、
半分以上の時間を特別支援学級で過ごすことが目安として定められている」
と説明された。
そこで、この「半分以上」がいったい何に定められているのか確認しようと、ネットでさんざん検索したのだが、まったく出てこない。
仕方がないので、居住地域の教育委員会に電話で問い合わせた。
●教育委員会に電話をする
電話にて、教育委員会に、
「子どもが通う〇〇小学校で、半分以上の時間を特別支援学級で過ごすことが教育委員会にて定められていると説明された。何に規定されているのか教えてほしい。」
と問い合わせる。
担当者の方は、
「調べて、折り返し電話する。」
と言われたが、1時間経っても電話はない。
結局、
「きちんと確認をしたいので、後日また改めてご連絡します。」
ということになった。
え?
そんなことがすぐにわからないなんてことがある?
そもそも、そんな規定なんて存在しないのでは?
などと思っていたら、後日、きちんと電話はかかってきた。
そして、
「電話では説明しにくいので、こちらまで来てほしい。」
といったような話になり、12月の終わりに、庁舎まで足を運ぶこととなった。
●「半分以上」についてのお話
「半数以上」というのは、文部科学省が定めているわけではない。
本地域の方針として「概ね半数以上」となっている。
「半数」かどうかは自治体によって異なる。
特別支援学級もひとつの学級として存在するということもある。
「障害のある子供の教育支援の手引〜子供たち一人一人の教育的ニーズを踏まえた学びの充実に向けて〜」
https://www.mext.go.jp/content/20210629-mxt_tokubetu01-000016487_01.pdf
において、
「例えば、特別支援学級に在籍して当該学年の各教科等の内容を学ぶ子供が,大半の時間を当該学年の通常の学級において交流及び共同学習で学び,通常の学級以外での自立活動における特別な指導の時間が,週当たり8単位時間はもとより相当数確保する必要がないと考えられる場合には,通常の学級における指導と通級による指導を組み合わせた指導による対応を検討するべきである。」
と記載されている。
また、
「週当たりに換算すると,1単位時間から8単位時間程度まで,通常の学級以外での特別な指導を行うことができることとなっている。」
と記載されており、つまりは、
「通級指導」は週に最大8時間設定することができるので、「自立活動」や「言語」などが「週に8時間以上必要でない」場合は、特別支援学級ではなく、通常学級に在籍しながら「通級指導」を検討することとなっている。
と説明があった。
要するに、
まそらの在籍する特別支援学級においては、
「自立活動」は週に8時間も設定されておらず、
「8時間以上」の規定を満たさないので、
「自立活動」のみを受けるためだけに特別支援学級に在籍することはできない。
ということになるのである。
もっと言うならば、
「半数以上」がどうのという話ではなく、
「8時間以上」かどうかが問題である
ということになるのだが、ここまで話を聞いていて思う。
私からは「自立活動」の話など一言もしていないのに、なぜ話の内容が「自立活動」に集約されていくのか?
教育委員会は、こちらに「自立活動」を巡るトラブルが生じていることを、把握しているのでは?と思ってしまう。
電話で問い合わせた際、こちらに回答をするまでに時間を要したのは、小学校側への状況確認がなされたためもあるのだろうと勝手に推察するのである。
教育委員会の特別支援教育の担当者の方は、トラブル処理に慎重だ。
「半数以上」という「国」の規定にない自治体独自の事項から私の目線を逸らし、「8時間以上」という「国」の規定内の話に置き換えていく。
さて、ここでちょっと気になったので訊ねてみる。
●「週当たり8単位時間確保する必要がない」とは?
まそらは、次年度、特別支援学級の判定となっている。
それは、「週当たり8単位時間確保する必要がない」という判断にはならなかったから、特別支援学級判定になったということになるわけだが、その判断はどのようにしてなされるのかをお訊ねしてみた。
担当者の方は、
「小学校が、総合的(保護者の意向、本人の希望、医学的、教育)に判断し、市教育支援委員会が判定する。特別支援学級で受ける教科(国語・算数・自立活動など)は小学校が決める。」
とおっしゃった。
え?
保護者の意向?
そんなものいつ確認されましたカネ?
担任の先生から、事後に、
「次年度も特別支援学級の判定となりましたがどうしますか?」
と聞かれただけだ。
そこで、担当の方に、「教育支援委員会」というものがいったいいつ開かれたのかをさらに訊ねる。
「10月○日」とのこと。
さらに訊ねる。
「総合的に、医学的な点もということなら、子どもが診てもらっている発達の専門病院の医師にも確認を取ったということか?」
担当者の方は、
「そういうことになる。診断も出ていて、検査も受けられていますよね?」
とおっしゃる。
私は、教育委員会に電話をした際、自分の名前と子どもの小学校名を伝えただけなのに、「診断」やら「検査」やら、随分と確認が行き届いているではないか。
ここで、小学校とトラブルが発生していることを教育委員会が把握しているのは、ほぼ確実だろうと思うに至る。
ちなみに、この「医学的」については、後日、発達の専門病院の医師に確認した。
医師によれば、
「小学校から問い合わせなどはなかった。」
とのこと。
担当者の方に、さらに訊ねる。
「保護者の意向も、私が気づかなかっただけで、教育支援委員会の実施日までに確認がされたということですね?」
担当者の方は、
「そのはずだ。先の「手引」にも合意形成することと定められている。」
とおっしゃった。
へえ〜・・・。
という感じだ。
●通級指導教室についてのお話
最終的に、こちらから「半分以上」の規定について、確認をさせていただく。
「子どもは自立活動が好きなので、次年度は自立活動だけを特別支援学級で受け、その他はすべて通常学級で過ごさせたいと思ったが、〈半分以上〉の規定によりできないということですね?」
担当者の方、
「その通り。「通級指導」として、週に8時間「自立活動」を設定できる。ただし、週に8時間、自立活動の授業を入れると他の教科の時間が減る。減った分は急ピッチでどこかで補わなければならなくなる。なので、週に8時間、自立活動を設定するのは現実的ではない。「通級指導」を何時間設定できるかは小学校に確認を。小学校からは、特別支援学級か、通常学級かという話だけで、通級指導の案内が抜け落ちていたようだ。手続きはこれからでも可能。ゆっくり考えて。」
要するに、ここでトラブル解決のための「代案」が、担当者の方より出された形だ。
特別支援学級で「自立活動」のみを受けることは不可能だが、通常学級にて「通級指導」の形で「自立活動」の授業を設定する事ができる
というものだ。
「通級指導教室」の話は小学校側からはまったく出てこず、私もまったく浮かばなかった。
そんな手があったとは・・・。
小学校に対し、またもや、
へえ〜・・・。
と思う。
特別支援学級を拒否した場合は、懲罰的な対応を取るという暗黙の内規か何かがあるのデショウカ?
小学校に対する不信は深まる一方だ。
●特別支援教育支援員について
最後に、来たついでにと思って聞いてみる。
「特別支援教育支援員の配置は難しい?」
小学校からは、この時点では、
「2年生には、通常は特別支援教育支援員はつかない」
と言われていた。
教育委員会の担当者の方は、
「なるべく配置できるように動く」
とおっしゃってくださった。
そうなるとよいのだが。。。
●教育委員会でお話を伺ってみて
教育委員会の方から説明を聞いてわかったことは、
・「自立活動」のみを受けるために、特別支援学級に在籍することはできない。
・通常学級に籍をおきながら、「通級指導」にて、週に最大8時間、「自立活動」を受けることができる。
・次年度、特別支援教育支援員を配置していただけそうだ。
ということだ。
教育委員会の担当者の方は、とても丁寧な対応をしてくださった。トラブル処理に神経を使われていることがよく伝わってくる感じだ。
事を大きくせず、うまくまるめる・・・。
そのためなら、本来なら実施しないこと(通級指導・特別支援教育支援員配置など)も実施していくといった印象を受けた。気のせいだろうか。
声の大きい人間が勝つ
などと言うが、確かにそういうケースもあるのかもしれないと思う。
不登校者数が過去最多。
休職する教職員の数も過去最多。
保護者がすぐにモンスター化する現代において、面倒事は困るのだろう。
今や私もしっかり「モンスター」となってしまった。
「通級指導」については、小学校側に次の面談(1月初旬)にて要望させていただいた。
「通級指導教室」は双子兄のまひろが利用しており、おおよそのことは知っている。彼は年長児のとき、「発音」の問題で「通級指導が適」となった。なので、週に1時間、通級指導を受けている。
2年生より通常学級となる弟まそらについては、「自立活動」が完全になくなってしまうと思っていたので、「通級指導」にて、週に1時間でも「自立活動」が組まれるとするなら、幾ばくかの救いを感じる。学校がまったく楽しくないまそらにとって、多少はストレス軽減になるに違いない。
この「通級指導」の要望がどうなったかについては、また別の記事にて取り上げる予定。