我が家には、小学1年生の双子弟、まそらがいる。
彼は、ADHD+自閉症スペクトラム障害で、
現在、特別支援学級の情緒級に籍を置いている。
さて、「特別支援学級でのトラブル」として、今回の記事で6回目となる。
これまで、
①朝、教員がいない
②交流級で受ける教科が入学前の説明と異なる
③上級生から暴力をふるわれる
④自尊感情の低下
⑤在籍させる必要性が不明
といった記事をアップしてきた。
この他、「タブレットを必要以上に使われる」というトラブルもあったが、こちらは、シリーズ外で既に記事にしている。
今回は、「学校への信頼喪失」という内容で記事を書く。そして、これでトラブルシリーズはひとまず終了とする。
内容が、過去の記事と重複する部分があるがご容赦願いたい。
そして、人によっては、なぜ私がこの件にこれほどまでに固執するのか、ご理解いただくのは難しいかもしれない。
●学校側より入学前に受けた説明
ことの始まりは入学前にさかのぼる。
学校側には「極力、通常学級に行かせたいと考えている」と伝えていた。
理由は、学力よりも、集団の中で社会性を身につけることを重視するためだ。
それに対し、学校側からは、
「特別支援学級で受ける教科は保護者の意向を最大限聞き入れる。入学後に担任と相談を。」
「1学期末と年度末で、通常学級に変わるタイミングがある。」
と説明を受けた。
こちらとしては、
特別支援学級に籍をおいても、必要最小限の教科を除き、大半を通常学級で過ごさせてもらえるものと認識したし、
年度途中でも通常学級に移れる柔軟さがあるのだと安心もしたし、
まそらには、安全に過ごしてほしいとの思いもあったため、
「とりあえずは」くらいの気持ちで特別支援学級を選択したのであった。
●入学してみると
ところが、入学してみると、特別支援学級で受ける教科は既に決まっており、
「年度途中での変更はできない」
と説明される。
従って、
国語・算数・道徳・自立活動・体づくり・給食
の時間は、特別支援学級で過ごすことになった。
国語や算数は毎日あり、自立活動もしくは体づくりのどちらかが毎日ある。
つまり、1日5時間授業のうち、最低でも3時間+給食は特別支援学級で過ごすのである。
日によっては、1時間も通常学級に行かないこともあった。
入学後、5年生男子児童から暴力をふるわれるようになったため、通常学級に変わりたいと願い出た際も、
「最適なのは、特別支援学級です」
と聞き入れられない。
事前に聞いていた話と全く異なる状況に愕然とする。
●本人が特別支援学級を望むので
色々と問題を感じる特別支援学級。
私の中では早々に、次年度は通常学級に行かせようとの決断を下す。
ところが、だ。
まそらに、「来年は通常学級に変わろうね」と秋頃に伝えたところ、情緒が不安定となった。
「自立活動がなくなるのが嫌」
「(まそら専用の)パーソナルスペースがなくなるのが嫌」
「給食当番が大変になる」
と言うのである。
そう。
まそらは、「自立活動」で自由に工作をすることが大好きなのであった。
次年度は、通常学級にと話してからというもの、まそらは、夜は寝つかなくなり、ネガティブなことばかりを言うようになった。
それは、こちらが動揺してしまうくらいの動揺ぶりだったのである。
来年は通常学級へ
の思いがぐらりと揺れる。
まそらを傷つけてまで、通常学級へ?
そこで、担任の先生に聞いてみる。
「特別支援学級に籍をおき、自立活動以外はすべて通常学級で過ごすことは可能ですか?」
担任の先生は、
「できると思う」
とおっしゃった。
「ならば、次年度も特別支援学級でお願いします」
とお伝えした。
11月末のことだ。
「次年度、特別支援学級を希望するのであれば、特別支援教育の責任者(入学前に嘘っぱちな説明をした教諭)を交えて面談をしなければならない」
と言われ、12月の初めに面談が実施された。
●特別支援学級に在籍するための面談
この面談では、いかにまそらが通常学級でやっていけないかを延々と説明される。
それはそのまま、いかに指導力が欠如しているかのピーアール大会となっていると思うのだが、先生方は「だから適しているのは特別支援学級です」と力説されるわけである。
そして、保護者である私の不安につけいるように、
「特別な配慮をしないと全体の中では難しい」
「次年度、教室にいられるかどうか。2年生は一般的には支援員はつかない」
「授業中にウロウロしている時間は、無駄になり、もったいない」
とおっしやるのである。
学力を重視しないという保護者の意向は、まったく重視されないようだ。
ウロウロしたって、私自身はどうでもいいのだ。他のお子さんへの影響や、本人の安全が気になる程度にすぎない。
いったい何が「無駄」で、どう「もったいない」のか?
私からすれば、トラブルばかりの特別支援学級で過ごす時間の方が「もったいない」のだ。
とにもかくにも、私からは、
・集団の中で社会性を身につけることを学力よりも重視する
・5年生男子児童の暴力を回避したい
・朝、彼の暴力からまそらをかばいながら準備をさせるのも負担
・双子兄がまそらをバカにするようになった
・本人も劣等感を持ち始めた
・本人が、「特別支援学級だからできなくてもいい、大丈夫」などと発言するのも困る
・なので、通常学級に行かせたいが、本人が「自立活動」がなくなることに対し、予想外に不安定な状態となった。
・従って、「自立活動」のみ特別支援学級で受けて、他はすべて通常学級で受けられるようにしてほしい
とお話しさせていただく。
すると、特別支援教育の責任者の先生がおっしゃる。
「特別支援学級で受ける教科は、なるべく保護者の意向に添う形をとる。具体的なことは新年度が始まってから担任とすり合わせをして下さい。」
すかさず訊ねる。
「入学前もそのように言われたが、入ってみると特別支援学級で受ける教科は決まっており、年度途中で変更はできないとのことだったが・・・。」
すると責任者先生は、
「まそら君も成長する。成長するのに周りが変わらないのはおかしな話。特別支援学級が必要なときもあれば、負担になるときもある。1年間まったく同じであるわけではないので、本人の変化に合わせて変えていかなければならない。
5年生男子児童や、朝の受け入れについては、何とかしようという動きもあった。次年度については預からせてほしい。」
とおっしゃる。
はぁっ?
暴力を何とかしようという動きもあった?
過去形デスカ?
次年度については預からせて?
未だ何の検討もなされす、暴力対応が放置されているということデスカ?
そして、
次年度担任とすり合わせを?
またそのお言葉デスカ?
もう信じませんヨ。
なぜ今、特別支援学級で受ける教科を「自立活動」のみにするということが確約できないのデスカ?
●「自立活動」のみを受けることはできない
なんだか、また有耶無耶にごまかされた感が強く、念の為、連絡帳に書いて、面談の翌日に持たせる。
「自立活動のみを特別支援学級で学ばせて下さい。無理なようでしたら通常学級を希望します。」
提出した当日の夜。
つまりは、面談の翌日の夜。
電話が鳴る。
担任の先生より、
「校長とも話した結果、自立活動のみを特別支援学級で受けることはカリキュラム上できないとのことで、次年度は通常学級ということになるが、それでよいか」
と言われた。
「通常学級でお願いします」
と即答したが、内心では激しく動揺していた。
「自立活動」のみを特別支援学級で受けられるという期待をしていたが甘かった。
まそらから大切なものを奪ってしまう
ひどい罪悪感に苛まれ、涙がこぼれた。
そうして、私自身が不安定な精神状態となってしまったのである。
子どもが傷つくということが、こんなにも堪えるものだとは・・・。
しかし、うろたえてばかりもいられない。
電話の翌日、またもや連絡帳に記入をして持たせる。
「入学前に、特別支援学級で受ける教科は保護者と相談の上決めると説明されましたが、入学すると特別支援学級で受ける教科は決まっており、年度途中での変更はできないと言われました。先の面談でも、新年度の担任と相談をとのことでしたが、結局のところ、特別支援学級で受けなければならない教科は決まっているということでしょうか。入学前にそれを知っていれば、当初より特別支援学級を選択することはなかったかもしれません。学校への信頼にも関わってくることですので、明確にご説明いただきたくお願い申し上げます。」
頭にくるのは、だ。
こちらが「自立活動のみ」を特別支援学級で希望しているのを聞いていながら、それができないにもかかわらず、できるかのように装い、特別支援学級に誘導しようとしたことだ。
何が「新年度の担任とすり合わせを」だ!
特別支援学級に在籍させてしまえば何とでもなると思ったか!
後はまた
「最適なのは特別支援学級です」
「通常学級ではやっていけませんから」
などと言って、今年度同様に、押し切るつもりだったか!
まそらから大好きな「自立活動」を奪ってしまう申し訳なさと、学校への怒りとで、私のメンタルは荒れに荒れる。
いったい何をどうするのが最善なのか。
ここで、私はついに信頼する専門家に相談することを決意したのであった。
そして、これは、大正解だった。
ご相談させていただいたおかげで、迷いが晴れ、明確に方向性が定まった。
通常学級でいいのだ。
そうして、また面談が組まれた。
●カリキュラム説明のための面談
また、特別支援学級の担任と、特別支援教育の責任者との面談が行われた。
まず一つめ。
「自立活動」のみを特別支援学級で受けることができないことについてだ。
特別支援学級で受けなければならない教科は学習指導要領に明文化されているのか訊ねた。記載がないのは確認済みで問う。
先生同士、顔を見合わせる。
想定された質問デシタカ?
そして、衝撃の事実を知ることになった。
居住地域の教育委員会にて、
半分以上の時間を特別支援学級で過ごすことが目安として定められている
と言うのである。
はぁっ!!!!!
ナニをおっしゃっているのデショウカ!?
「半分以上」って何デスカ!
それを知っていて、入学前に、「通常学級で多くの時間を過ごせる」というような説明をしたのデスカ!
そして、二つめ。
入学前、特別支援学級で受ける教科は保護者の要望を最大限聞き入れるとの話。
どのように聞き入れられたのか訊ねる。
これについては、
「不十分な説明だった。」
とのこと。
そして、三つめ。
「特別支援教育支援員」の配置は困難なのか訊ねた。
「本校には、把握しているだけで5人以上いる。学年に1人入るかどうか。学年を行ったり来たりする。次年度は、これから検討。」
とのこと。
アレ?
先の面談では、
「2年生は一般的には支援員はつかない」
と言われていませんデシタカ?
5人って何デショウ?
それは、「一般的には」2年生を除く3〜6年生には支援員がつくということデショウカ?
それとも、保護者を不安にさせ、特別支援学級を選択するように仕向けるためにそうおっしゃったわけデスカ!
●学校への信頼喪失
喪失というより、崩壊か?
学校は、正確な情報を伏せ、とにかく特別支援学級に行かせるようにしたいのだ。
保護者の意向なんて何一つ尊重されない。
本人ができないことを力説し、
保護者を不安にさせ、
特別支援学級に誘導する。
特別支援学級が適していると言われるが、
特別支援学級にいて、まそらはいったい何がどう伸びたのか?
できないことのオンパレードではないか。
伸びもしないのに、なぜ、「最適なのは特別支援学級」などと自信満々に言えるのか。
その根拠はどこに?
どんなに長くても6年。
人事異動があればもっと短い年月しかまそらと関わらない人たち。
私は親だ。
生きている限り、まそらの一生に責任がある。
真剣に、いつもいつも彼のこと考えている。
その親が考えに考え抜いて「通常学級がいい」と言っているのに、できもしないことをできるかのように説明し、特別支援学級に誘導する傲慢さはどこからくるのか?
不誠実過ぎるではないか。
「説明が不十分だった」
で済まされるのか?
通常学級で過ごすか、特別支援学級で過ごすかは、大きな違いだ。
その重大な決断を、意図的に歪められた情報でさせられたのだ。
この1年。
まそらは集団の中で得られたであろう様々な機会を失ってしまった。
そして、暴力や自尊感情の低下など、無用なトラブルを沢山経験することになった。
どうして、私は学校を信じたりしてしまったのだろう。
結局、被害を受けるのはまそらだ。
悔やまれる。
●記録を残す
不信の塊と化した私。
面談の内容を文書に記録して残すことにした。
「こちらの誤認識を防ぐため」という名目で、議事録を作成し、押印して提出した。
校長まで目を通したとのこと。学校側のピリピリ感が伝わってくる。
「面談記録」は2箇所訂正されて戻ってきた。
確認印の一つもない。
印なんて押したらごまかしが効かなくなるからか?
どこまでも不誠実だ。
訂正については、考えた結果、元の文章が残る形で、いつ誰によりどのような訂正がなされたのかを明記した。
そして、それをまた提出。
「OKですよ」と言われただけで、確認印などはなし。
どうしたものか。
いずれにせよ、今後、行われるすべての面談について、「記録」の作成と、提出を実施しようと決めた。
既に、1月上旬の面談の「面談記録」も提出しているが、まだ返ってこない。
なぜただの面談の「記録」の確認にそんなに時間を要するのか?たかが数枚の文書だ。
そんなに慎重に確認だなんて、何かご心配なことでもおありデシヨウカ?
それとも、他の業務の後回しにされているということデシヨウカ?
2 国及び地方公共団体は、前項の目的を達成するため、障害者である児童及び生徒並びにその保護者に対し十分な情報の提供を行うとともに、可能な限りその意向を尊重しなければならない。