我が家には、小学1年生の双子弟、まそらがいる。
彼は、ADHD+自閉症スペクトラム障害で、
現在、特別支援学級の情緒級に籍を置いている。
既に、記事にしているのだが、改めて、特別支援学級を選んだ経緯について。
●特別支援学級を選択した経緯
就学に際しては、
・自閉症スペクトラム障害は、同年代の中で過ごした方が改善する
・集団の中でやっていける力を身につけてほしい
・普通の感覚は、定型発達児の集団の中にいてこそ身につく
といった観点から、当初より通常学級を希望していた。
が、最終的には特別支援学級を選択するに至った。
入学前に、小学校側から受けた説明は次の通りだ。
・「極力、通常学級に行かせたい」と伝えたところ、「特別支援学級で受ける教科、通常学級で受ける教科は、保護者の要望を最大限聞き入れる」と説明を受ける。
・「1学期末と年度末のタイミングで通常学級に変わることができる」と説明を受ける。
・「支援学級は、1人1人に合わせて、丁寧に見ることができる」と説明を受ける。
・「通常学級に入った場合、合理的配慮(席を前にするなど)はできるが、担任1人が30人ほどを見る状況において、児童1人あたりの支援の量はどうしても少なくなる」と説明を受ける。
そうした説明を受けて、
・「安全」に過ごしてほしい。
・希望すれば、通常学級で受ける教科を多く設定してもらえる。
・年度途中でも通常学級に変われる。
ということを主な判断材料とし、我が家は結果的に特別支援学級を選択したのであった。
たが、、、しかし・・・。
特別支援学級を選択し、すぐに様々なトラブルに直面する。
朝、登校時に、特別支援学級の教室には教員が1人もいないというのは、前回のブログに記した通りだ。
親が、就労せず、登校後の子どもの世話をするのが前提の組織体制。
到底、納得できるものではないが、不満を抱きつつ、小学校生活は進んでいく。
●面談①
入学式当日、担任の先生には早々に面談を依頼した。
面談では、主に、以下のことを伝えた。
・通常学級を希望しているが、「安全」を最優先し、特別支援学級を選択した。
・可能な限り同年代の子どもと過ごさせたい
・少なくとも8歳までは、学力よりも脳機能の向上を優先する
細々しいことは他にもあるが、ここでは省く。
そして、上記の事項をお伝えした他、居住地域の自治体により、誕生から就労までを継続的にサポートすることを目的として作られた「支援ファイル」の「小学校の先生に伝えたいこと」の保護者用ページを提出し、
澤口俊之先生の教育相談で受けた「HQテスト解析結果」も提出した。
こちらの重視していることや考えを伝え、ひとまず終了。
続いて、4月下旬、懇談会が開かれる。こちらは、全児童対象だ。
●懇談会
懇談会は、特別支援学級と交流級との両担任で行われた。
先生方より言われたことは以下の通りだ。
☆交流級の担任
・図工の授業での粘土は集中して取り組んでいた。
・体育では、体育館から出ていってしまうことがあった。
・50メートル走では、最後でコースをそれてしまった。
☆特別支援学級の担任
・ゲームはよく見て、やり方が理解でき、楽しそうなら参加している。
・双子兄、まひろのことを気にかけている。まひろのような友達ができるとよい。
・どこかに行ってしまうので、目が離せない。
・ルールが頭に入っておらず、なぜ教室にいなければならないかがわからない。
・ルールは理解すれば守れる。
・給食はだいたい時間内に残さず食べる。
・着替えが遅く、支援が必要。
・物を作るのが好きで、勉強につなげていければと思う。
・文字はある程度バランスよく書ける。
・指示通りに動けない。
・交流級では、思ったことを大きな声で話してしまう。「1の声で」と言うとできる。
・交流級は1日2時間。多くて3時間。
・1日5時間授業のうち、国語・算数は特別支援学級で。1時間目は「からだづくり」がある。
・給食もコロナ対策のために黙食で、特別支援学級で食べる。
・通常学級でやっていくには、
自席に座っていられる
先生の話が聞ける
わからないときに、それを先生に言える
ようになる必要がある。
とのこと。
え?
極力、通常学級ですごさせたい
と入学前に要望しましたが・・・
と思う。
この日、私の方から何を話したかは記録していないので、今となってはわからない。おそらく、聞くに徹していたのだろうと思われる。
そして、さらに5月。別のトラブルで面談が組まれた。
●面談②
この面談の目的は別のところにあるのだが、それはまた別の記事にて扱いたい。
さて、この面談にて担任の先生に質問をした。
コンサータを使用し、着席していられるようになったとして、1年生の教室で過ごす時間を増やしてもらうことは可能か?
この質問。担任の先生は答えず、代わりに同席されていた特別支援学級(知的)の先生から回答が返される。内容は次のようなものだった。
「できない。
何の教科をどこで受けるかは年度当初で決まっている。年度途中で変更することはできない。
「自立」、「からだづくり」、「国語」、「算数」、「道徳」は特別支援学級で。
国語については、内容によっては交流級へ。」
入学前に、
「特別支援学級で受ける教科、通常学級で受ける教科は、保護者の要望を最大限聞き入れる」
と説明を受けましたけど・・・という言葉をぐっと飲み込んで先生に次のように話す。
発達の専門医も私も勉強をさほど重視していない。医師は不登校にならないことを最も重視している。故に、学校は楽しい場所であることが大事だと言われている。
私自身は、同年代の子どもの中で社会性を身につけてほしい。
医師は通常学級で過ごす時間を増やした方がよいという見解。
療育手帳は外れ、新版K式発達検査でも遅れはない。障害者として福祉の枠の中で生きていくことはできない。一番厳しいところにいると認識している。人の中で生きていけることが最低限必要な力だと考えている。
そうして、7月中旬。1学期末の面談が実施された。
●面談③
この面談の内容は主に3点だ。
・教科学習(特別支援学級・交流級)の様子
・生活面の様子
・家庭での様子
この面談において、本記事とは別のトラブルについて、
・特別支援学級を2クラスにわけるか、
・まそらを通常学級に移す
しか、解決しないと思う。
と、先生に伝えた。
先生からは、
「夏休み中に、他の先生方と協議する」
と言われ、回答を待つ。
そして、始まる2学期。
担任の先生からは何の話もないので、9月初めにこちらから訊ねる。
先生からは、
「支援会議を開いた。まそら君の学びの場として最適なのは特別支援学級。通常学級だとどこかに行ってしまったりするので、対応が必要になる。◆◆の問題は■■といった対応をとる。」
と説明をされる。
◆◆の問題については、また別の記事にて。
●長々と記したが、話をまとめると
入学前、こちらからは、通常学級を希望していると、学校側には明確に伝えてきた。
それに対し、学校側からは、
「特別支援学級で受ける教科、通常学級で受ける教科は、保護者の要望を最大限聞き入れる」
「1学期末と年度末のタイミングで通常学級に変わることができる」
と説明を受ける。
なので、何の教科を特別支援学級で受けるかは、
概ね保護者の希望通りになり、
多くの授業を通常学級で受けることができるものと認識し、
最終的には特別支援学級を選択するに至ったのである。
が、しかし、、、
入学してみると、
特別支援学級で受ける教科は既に決まっており、
「年度途中で変更することはできない」
と言われ、
5時間授業のうち、毎日ある「自立もしくはからだづくり」、「国語」、「算数」の3時間は、特別支援学級で受け、
さらに、「道徳」と「給食」も特別支援学級で過ごし、
場合によってはその他の教科も特別支援学級となり、
日によっては、交流級に行く時間が全くない日も生じるようになった。
そして、1学期末に、「通常学級へ移りたい」と希望を出した際にも、突っぱねられることになる。
突っぱねる理由は、
・特別支援学級が最適
・通常学級だとどこかに行ってしまったりするので、対応が必要になる
というものだが、、、
いったい、「最適」とは何か?
もう7年ほど毎日朝から晩まで双子のことを考えに考え、できうる限りのあらゆる最善を尽くしてきた私以上に練り上げられた「最適」であるのか?
教育のプロかもしれないが、どれだけの時間を検討に費やしたというのか。
そして、通常学級が無理だから、対応ができないから特別支援学級なのか?
特別支援学級は、面倒な子どもを体よく通常学級から追払うための掃き溜めのような場所なのか?
沸々と沸き上がる不信。
グラグラと煮え立ち始める苛立ち。
そして、この、
・何の教科をどこで受けるか
・保護者の要望を最大限聞き入れる
という入学前の説明と実際との不一致は、現在、大きな問題へと発展していく兆しを見せている。
これは、また別の記事にて。
●私の気づき
先の記事と同様の内容になるが、
小学校は、とにかく「特別支援学級が適」となった子どもを「通常学級」には行かせたくないのだと推察する。
「通常学級では、やっていけないので、最適なのは特別支援学級です」
「通常学級では、対応ができないので、最適なのは特別支援学級です」
この文言。
●●といった支援・指導をし、まそら君を○○できるように導き、成長させていきます
といった視点がまったく欠落しているではないか。
子どものためなどではない。
そこで重視されているのは、教職員の負担を増やさないようにすることだ。
私の考え方は、あまりにひねくれているだろうか?
「常識的な」感覚というものが、もはやわからなくなってくるのである。
●学校教育法
第八十一条 幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校及び中等教育学校においては、次項各号のいずれかに該当する幼児、児童及び生徒その他教育上特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対し、文部科学大臣の定めるところにより、障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うものとする。
② 小学校、中学校、義務教育学校、高等学校及び中等教育学校には、次の各号のいずれかに該当する児童及び生徒のために、特別支援学級を置くことができる。
一 知的障害者
二 肢体不自由者
三 身体虚弱者
四 弱視者
五 難聴者
六 その他障害のある者で、特別支援学級において教育を行うことが適当なもの
③ 前項に規定する学校においては、疾病により療養中の児童及び生徒に対して、特別支援学級を設け、又は教員を派遣して、教育を行うことができる。
第二章 障害者の自立及び社会参加の支援等のための基本的施策
(教育)
第十六条 国及び地方公共団体は、障害者が、その年齢及び能力に応じ、かつ、その特性を踏まえた十分な教育が受けられるようにするため、可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮しつつ、教育の内容及び方法の改善及び充実を図る等必要な施策を講じなければならない。
2 国及び地方公共団体は、前項の目的を達成するため、障害者である児童及び生徒並びにその保護者に対し十分な情報の提供を行うとともに、可能な限りその意向を尊重しなければならない。
3 国及び地方公共団体は、障害者である児童及び生徒と障害者でない児童及び生徒との交流及び共同学習を積極的に進めることによつて、その相互理解を促進しなければならない。
4 国及び地方公共団体は、障害者の教育に関し、調査及び研究並びに人材の確保及び資質の向上、適切な教材等の提供、学校施設の整備その他の環境の整備を促進しなければならない。