我が家の年長児の双子弟、まそらは、自閉症スペクトラム障害だ。
昨年11月に園長先生より、「支援学級(情緒)」を勧められた。
そこで、本来より予定を早めて、発達の専門医の診察を予約し、先日、アドバイスをいただいた。
以下、専門医のお話の概要。
●発達の専門医より
まそらには、集中できる環境がよい
人数の多い通常学級では、気が散ってしまうのでは
集中できず、ぼんやりして1日が終わる可能性も
もう1人同じような子がいたら、引っ張られて授業中にウロウロしてしまうだろう
双子は同じがよいが・・・、
兄まひろがまそらとの差に気づいてマウントをとる姿が診察中でも頻繁に見られる
就学後は、テストの点数で、差がはっきりしてしまう
(グラフを描きながら)一般的に、定型発達児との差は広がっていく
遊びも、同世代の遊びについていけなくなってくる
今か、もう少し先か、いずれにせよ支援学級が必要になってくる
学校に任せるなら支援学級
無難なのも支援学級
チャレンジするなら、通常学級
チャレンジとして、1年間は通常学級で頑張らせてみるのもあり
その場合、勉強を家庭で相当フォローしなければならない
支援学級における他学年との混合の授業は、先生がうまく指導する
支援学級にお兄ちゃん・お姉ちゃんがいることによって生じる縦の関係もよい影響があるかも
通常学級に友達ができて、通常学級にいたいと頑張るケースも
マイペース、ニコニコしているのがまそらのよいところ
本人が差に気づいて、笑顔がなくなるのはよくない
学校は楽しく過ごせるようにし、
不登校にならないようにすることが大事
最初から支援級に在籍した方が、途中から変わるより、本人には理由を説明しやすい
まそらには、集中しやすい環境の方がいいから・・・と伝えるとよい
勉強できることが全てではない
通信制の高校がいいかもしれない
勉強ができると便利ではあるが、勉強できなくても成功する人はいる
本人のモチベーション次第
強みを伸ばして、就労へつなげる(テレワークなど)
●専門医の言葉を受けて
医師より、ひとつ衝撃的な発言があった。
「新版K式発達検査は知能を見ていない。知能検査ではない。年齢に応じて、できることを見ている」
えー!
では、児童相談所(療育手帳の交付)は何をもって、知的な遅れの有無を判断しているのだろうか?
就学相談の特別支援教育コーディネーターさんも何をもって「知的な遅れはない」とおっしゃったのか?
ここにきて、K式の結果に基づく「知的な遅れはない」という話が、ガラガラと音を立てて崩れる。
そして、もうひとつ、がっくりしてしまうお言葉が・・・。
「定型発達児との差は広がっていく」
本当に、がっくりくる。
この言葉は、数日の間、私の心に闇を作った。
診察時、医師が描かれたグラフ(写真はrumraisinn作)を再掲する。
この、
y=x(定型発達児、黒線)
y=1/2x(発達障害児、赤線)
みたいなグラフを見るのは2回目か?
すっかり忘れていた。
横軸が「時間」、縦軸が「発達」といったところだろうか。
改善を「夢見て」頑張っていたのを、目を覚ませ!と「現実」に引き戻された感じ。
グラフは、はっきりと、「頑張っても、追いつけやしないんだ!」ということを明示している。呪いのようなグラフだ。
遅れを挽回することができないのなら、今、日々、疲れ果てながら頑張っていることに何の意味が???
もっと言うならば、病院でのリハビリ(OT・ST)に何の意味が?
医療の存在意義はいったいどこに?
診断書を書くだけが、その役割なのだろうか?
高学歴であれば、人生何とかなる、とは思わない。
勉強しかできない、では逆に困る。
だが、勉強ができなくてもいいとは思わない。
したいことをするための可能性が狭められてしまうからだ。
例えば、何か資格を取りたい、といったときに困ることになるだろう。
必要な学校の入学試験に通らない。
あるいは、資格試験そのものに合格できない。
そして、就きたい職業につくことができない・・・。
学力で勝負する世界を目指させようとは、今のところ思っていない。苦手なことで戦うより、強みを伸ばして戦う方がいいと思うからだ。
苦手の克服に必要以上に労力や時間を割くのはもったいない。苦手なことは「普通」にできる程度に伸ばせば充分だと思う。
「得意」を活かして生きる。そんな道を探したい。
それでも、高校くらいは出てほしい。
通常の人が経験することは経験してほしいと思う。
しかし、最終的には、本人が自分で決めることだ。
今のうちから、双子には伝えている。
「行きたい所があれば、どこにでも行きなさい。海外でもどこにでも、好きな所へ。そして、やりたいことをやりなさい」
彼らが、自立し、笑顔で生きていられる将来を手にするために、私がしてやれることは何か?
彼らの可能性(能力)を最大限高め、選択肢の数をひとつでも多くしておくことだ。
「できない」を減らし、「できる」を増やす。
医師の言葉(呪いのグラフ)にがっくりしている場合ではないのだと思い直す。
足掻けよ、私!!
角度を上げるのだ。
1/2xを1/1.8xへ、そして1/1.6x、1/1.4xへ。
今までだって、そうしてきただろう?