いきなりだが・・・、
我が家は子どもの就学に合わせて、引っ越しを予定している。
子どものためというわけではない。義実家の事情による。
昨年11月の就学相談の際に、園長先生に、支援学級(情緒)の見学をしたいとお願いしたのだが、後日になって、
「引越し先の小学校は、個人情報保護の観点から、住所が移らないかぎりは見学は困難です」
と断られることになった。
しかしながら、その後、色々と動いてくださったようで、状況が変わり、先日、就学予定の小学校の支援学級(情緒)と通級指導教室の見学をさせていただくことができた。
●支援学級(情緒)の授業の様子
就学を予定している小学校の支援学級(情緒)には、3人の児童が在籍していた。
算数の授業を見学させていただく。
3席あるうちの2席に同じ学年の児童が座り、授業を受けていた。
空席のもう1人は、他学年で、交流級、つまりは通常学級に授業を受けに行っており、不在だった。
授業は、プリントを用いて行われ、教科書が開かれている様子はない。
2人のうちの1人は、机の上に水筒や箱ティッシュなどを置いており、雑然とした感じだ。あまりよい印象は持てないが、児童の発達特性によるものなのかもしれない。
教室の壁側には、ダンボールで作られた結構大きな小部屋(屋根まである)があり、ドアノブのついたドアには「あけるな」と書かれていた。
いわゆる「個人スペース」としてのダンボールハウスは、教室内に2つ存在していた。
2人の児童は、私語をしたりもせず、ウロウロしたりもせず、静かに授業を受けていた。外部の人間が後ろで見ているので、普段とは異なる授業風景だったのかもしれない。
全体的な印象としては、静かで落ち着いた雰囲気で、言われなければ「支援学級(情緒)」とは気づかないように思う。
子どもが環境から受ける影響は少なくないに違いない。できれば通常学級で、普通の感覚を身に着けてほしいと思う。それでも、支援学級を選択するに至った場合、あまりに奇異な環境であっては困ってしまう。
例えば、騒がずに、着席して受けるべき授業で、
絶えず、奇声を発している児童がいる
絶えず、ウロウロしている児童がいる
といったような環境は、決して望ましいものではないと私は思う。
「そういう人もいる」という受容の精神を持つことは大切だが、それが「普通」だとの認識は持ってほしくない。なので、もし支援学級がそうした環境であったならば、在籍させるのはかなりためらわれてしまう。
今回、実際に、見学させていただいたかぎりでは、少なくとも今年度に関しては、そんなに心配するような様子ではなさそうに見えた。
来年度、新1年生で支援学級に在籍する児童が他にいるのかどうか。いるとして、どんなお子さんなのか。その辺りのところが運任せになってきそうだ。
●支援学級(情緒)について
支援学級について、手にした情報をまとめる。
・定員は、8名
・情緒級と知的級は、基本的には別の教室で授業が行われるが、合同で行われる授業もある
・学年は混在し、1人の教諭が授業を実施
・1学期終了時と学年末に通常学級への変更が可能
・支援学級で受ける科目と通常学級で受ける科目は本人と保護者の要望を最大限聞き入れるが、時間割を組む都合で100%応えられるとは限らない
・学習進度と学習レベルは、児童により異なるが、今年度は通常学級の進度と一致している
・支援学級は、1人1人に合わせて、丁寧に見ることができる
・通常学級に入った場合、合理的配慮(席を前にするなど)はできるが、担任1人が30人ほどを見る状況において、児童1人あたりの支援の量はどうしても少なくなる
●通級指導教室(言葉の教室)について
通級指導教室については、双子兄、まひろが対象となっており、見学の運びとなった。
私には、まひろのいったいどこが「通級指導」を必要とするのかわからないが、検査上、問題があったということだろう。
支援学級に在籍していないと入れないとの情報を有していたが、まったくの逆で、支援学級に在籍していると入れないとのことだった。
なお、見学できたのは教室のみで、実際の指導の様子は見られなかった。
以下、通級指導教室について、手にした情報をまとめる。
・週に1回実施
・定員は、各学年6名(教員1人あたりに2人の児童)
・3人の先生がいて、3教室ある
・支援級に在籍していると入れない
・入るには「指導願い」の提出が必要
・授業のフォローではない(教科書・ノートは使わず、道具を使用)
・自立活動の場(子どもが気づき、子どもが判断し、子どもが行動する)
・コミュニケーションや吃音など、児童の困り事にフォーカスし、支援する
・最初に、全員で勉強し、その後、分かれて個別の課題に取り組む
●就学に向けてしておくとよい準備は?
最後に、気になっていることをお尋ねしてみた。
まずは、入学までに、準備しておいた方がよいことは何かということだ。
準備しておくとよいこととして、
①一番は、ワクワクした楽しみな気持ちで入学式を迎えてほしい
②人と対応したお手伝いを
例:お父さんには新聞を取ってくる。おじいちゃんにはメガネを持っていく。配膳で、お父さんには、このお箸、お母さんにはこのお箸・・・
③仲間分けの遊びを
例:トランプのカードなら、ハートばかりを集める。3ばかりを集める。
猫ばかり、犬ばかり、鳥ばかりを集める→猫も犬も鳥も「動物」としてカテゴライズできる。
最後に、
「もし、支援学級にとなれば、なぜ、まそらだけ別の教室なのか。なぜ、まひろだけ通級指導教室なのか。そういう疑問が本人たちから必ず出てくる。自尊心を傷つけない説明の仕方があればアドバイスをください」
とお願いしてみた。
これまで、2人は、極力同じように過ごさせてきた。
異なる状況になるときは、必ず「なぜ?」と聞いてくるので、なるべく丁寧に説明をするようにしている。
なぜ、まそらだけ、アレルギー科に行かなければならないのか?
なぜ、まひろだけ、大きな病院を定期的に受診するのか?
なぜ、まそらだけ、言語聴覚療法を受けるのか?
なぜ、まひろは、生卵が食べられないのか?
なぜ、まそらは、牛乳やパンを食べられないのか?
2人は、「違う」ということに敏感だ。
通級指導教室の先生は、
「より賢い子になれるから、よりよい子になれるから、と伝えてもらえれば」
とおっしゃった。
残念ながら、ピンとこない。
我が家の双子は、「賢い」ことや「よい子」であることに興味がないのだ。私が日頃そうしたことを2人に望まないためだろう。
基本的に、彼らに求めることは、
やるべきことをやる
ダラダラしない
の2点に集約されるだろう。
「賢い子になれる」ねえ・・・。
うちの双子には、大して響かないに違いない。
困ったな〜。
本当に、困ってばかりだ。。。