子どもたち(双子、年長児)の発達障害の改善のために、栄養面からのアプローチを試みている。
きっかけは、藤川徳美先生の著書、
『薬に頼らず子どもの多動・学習障害をなくす方法』
を拝読したことによる。
取り組みは、以下の流れで進めてきた。
朝夕食時に、無添加のホエイプロテインを牛乳(50g)に混ぜて飲ませている。
量は、朝夕各5g(1日10g)から開始し、現在は各10g(1日20g)だ。
1日30gに増やしたいが、なかなか難しい。
②サプリメントの「鉄」と「ビタミンC」
プロテインの次は、「ビタミンC」と「鉄」。
「ビタミンC」が「鉄」の吸収を促進し、「鉄」によって便秘が誘発されるのを防いでくれるため、「鉄」と「ビタミンC」は同時スタートとなった。
「鉄」については苦戦していたが、ここにきて急に解決。記事にはまた改めて。
一方、「ビタミンC」は、iHerbでカプセルタイプのサプリメント、
「SOLARAY」の
「Super Bio Vitamin C」
を購入し、
・ヨーグルト25g
・オリゴ糖2〜3g
・蜂蜜2〜3g
に混ぜて飲ませている。
量は、1000mgを朝夕の2回だ。
そして、今回の「ナイアシンアミド」だが、こちらはまず「ナイアシン」の説明からしなければならない。
ナイアシンは、生体において実に多様な役割を果たしている。
○ナイアシンの働き
ナイアシンは、エネルギー代謝において、補酵素として、重要な働きをしている。
エネルギー代謝は、以下のように進むと高校で習った。
不要な気もするが、一応、記載しておく。
①解糖系
細胞質基質の解糖系にて、グルコースは段階的に分解され、ピルビン酸になる。
ちなみに、解糖系では、2NADH2が生成される。
②クエン酸回路(TCA回路)
解糖系で生成したピルビン酸は、アセチルCoAに変換され、ミトコンドリアのマトリックスにて、オキサロ酢酸と反応しクエン酸になる。
クエン酸回路では、10NADH2を生じる。
③水素(電子)伝達系
解糖系及び、クエン酸回路で生成した水素(NADH2)は、ミトコンドリアのクリステで、酸化(酸化的リン酸化)され、ATP(エネルギーの通貨)が生成される。
このエネルギー代謝において、ナイアシンは、補酵素(NAD︰nicotinamide adenine dinucleotide)として、解糖系やクエン酸回路の反応を促進する。
ナイアシンは、解糖系で生成したピルビン酸をアセチルCoAに変換する上でなくてはならない存在である。
ピルビン酸がアセチルCoAに変換されなければクエン酸回路が回らず、ATPを生み出すことができない。
つまり、ナイアシンが不足するとエネルギー代謝が進まず、生体はエネルギー不足に陥ってしまうのだ。
ナイアシンの働きは、エネルギー代謝における補酵素としてだけではない。
その他の働きとしては、以下のようなものが挙げられる。
・タンパク質合成の際のコーディング
・DNAを修復
・脳血流量を増加
・抹消血管を拡張
・中性脂肪を減少
・コレステロール値を低下
・快眠
などだ。
アルコール代謝における役割については、お酒を飲まずにはいられない身として、大変興味深く感じる。
ナイアシンは、アルコール代謝に必要な物質であるため、飲酒するとナイアシン(ビタミンB1も)が不足する。故に、飲酒に加え、お米や麺などの糖質を摂取すると、更にナイアシン不足が深刻化するようだ。
結局、糖質を過剰に摂取するとナイアシンがどんどん使われ、不足し、ピルビン酸がアセチルCoAに変換されず、クエン酸回路か回らない上に、解糖系ばかりが機能し、少しのATP生成と溜まる乳酸(疲労物質)、身体はガス欠・・・。
そして、起こる空腹。
また糖質を摂取して、体重増加。
一向に元気は出ず、いつもぐったり。。。
糖質がダメというのはこういうことを指すのかなあ?と思う。
となると、精製されていようがなかろうが、「糖質は悪」ということになる。
○ナイアシンフラッシュ
とても重要な働きをしているナイアシンだが、このナイアシンには、厄介な問題がある。
「ナイアシンフラッシュ」と言われる現象だ。
ナイアシンを初めて服用した際には、1時間ほどが経過するとナイアシンフラッシュが起こる。
ナイアシンは細胞内に溜まったヒスタミンを急激に放出させ、抹消血管が拡張するため、発赤やかゆみが生じる。
フラッシュは1時間ほどで消失し、危険性はない。ナイアシンの継続摂取により、フラッシュは徐々に軽くなり、いずれ起こらなくなるようだ。
しかし、幼児にはこのフラッシュという現象はどうなのか?ということになる。
そこで出番となるのが、「ナイアシンアミド」だ。
ナイアシンアミドは、ニコチン酸アミドとも言われ、ナイアシンのようなフラッシュは起こらない。
しかし、藤川先生のブログによれば、効果がナイアシンの半分程度に落ちるらしい。
が、それでも、我が家はとりあえずナイアシンアミドから開始した。
まずは、双子弟、まそらからだ。
兄まひろは、鉄・ビタミンC→ビタミンB50コンプレックス→レシチン→ビタミンE→ナイアシンアミド→ナイアシンの順での導入を考えている。
我が家の双子たちは、2人ともコレステロール値が高い(家族性)ので、コレステロール値を下げる作用のある「ナイアシン」にいずれは移行するつもりだ。
ノーフラッシュタイプのナイアシンもあるが、お値段が結構するので、ちょっとムズカシイ。
さて、ナイアシンアミド。
こちらはナイアシンとは異なり、フラッシュは生じないのだが、苦いという難点がある。
そして、高用量摂取で吐き気を生じる。
吐き気は量を調節することで対応できるが、苦いと子どもは飲めない。
○我が家での試行錯誤
まず、私がカプセルを外し、チョコ風味のプロテインに混ぜて試した。
苦味は消えず、子どもには厳しいと思う。
そして、試行錯誤が始まる。
ちなみに、購入したのは、
SOLARAYの
「Niacinaomide 500mg」
だ。
①チョコアイス
カフェインが気になりつつも、まずは、まそらが飲めるのかどうかを確認。
チョコアイスやチョコ風味のプロテインに混ぜると飲みやすいと藤川先生のブログにあったので、チョコのバニラアイスに混ぜる。
まそらは飲むには飲んだが、苦いことに変わりはないようだった。
②自作ゼリー
冷たければ舌が多少は麻痺して飲みやすいのでは?とまそらが好きなグレープジュース(果汁100%、もちろんカフェインフリー)と寒天でゼリーを自作し、かき混ぜてから凍らせた。
不評だった。
③牛乳
どうせまずいなら、もう牛乳でもいいかと、牛乳に混ぜてみた。
最初にお茶を口に入れておき、牛乳に溶かしたナイアシンアミドを流し込んで飲む。
こちらは苦味が低減されるようで、ゼリーよりは好評だった。
④水
牛乳で楽に飲めるなら、別に水でもいけるだろうと、ナイアシンアミドを水に溶かして与える。牛乳と同じく、予めお茶を含んだ口に、スプーンに溶かしたナイアシンアミドを入れて飲み込む。牛乳とさほど変わりないようだった。
⑤カプセルごと
そして、そんなある日のことだ。
ビタミンB50コンプレックスを開始した。こちらは、兄まひろにも与える。
水に溶かしたのだが、まひろにはあまりにも不評だった。
まそらも、ナイアシンアミドほどまずくはないが、量が多いのでしんどそうだった。
まひろが言う。
「バナナの固まりも飲み込めるし、カプセルも飲みこめるよ」
え?
と思いつつ、やらせてみる。
軽々と飲み込んだ。
もちろん、それならそれが楽でいいので、まそらにもすすめる。
初日は飲み込めなかったが、2日目は飲み込むことに成功した。
子どもと2人、拍手して喜ぶ。
これでサプリメントを飲む苦痛は随分軽くなったはずだ。
現在は、ナイアシンも鉄もカプセルごと飲み込む。大助かりだ。
●現在の子ども(年長児、体重約20kg)の状況のまとめ
・ホエイプロテイン(無添加)︰朝夕食時各10g(1日20g)
・鉄︰夕食時に36mg(now foodsのDouble Strength Iron 36mg)
・ビタミンC︰朝夕食時各1000mg(1日2000mg、SOLARAYのSuper Bio Vitamin C)
こちらは、1日3000mgにできそうだ。
・ナイアシンアミド︰朝夕食時各500mg(1日1000mg、SOLARAYのNiacinamide 500mgまそらのみ服用)
・ビタミンB50コンプレックス︰朝夕食時各1カプセル(1日2カプセル、SOLARAYのB-Complex 50)
・あまに油︰夕食時6g
・レシチン︰1200mg×2を近日開始予定
・米(炊飯したもの)︰朝夕食時各120g→100g
・牛乳︰朝夕食時各120g→50g
・ヨーグルト︰夕食時40g→朝夕食時各25g
・バター︰積極使用開始
・ぬちまーす(マグネシウム含量の多い塩)︰炊飯時(5合)に小さじ1/3混ぜて使用開始
●現在の私の状況のまとめ
・ホエイプロテイン︰昼夕食時各35g(1日70g)
・鉄︰昼1錠(27mg)+チュアブル24mg(おやつにサプリZoo、子どもが食べなかった分を消費中)
・ビタミンC︰昼夕食時各2000mg(1日4000mg)
・ナイアシンアミド︰昼夕食時各500mg(1日1000mg)
・ビタミンB50コンプレックス︰昼夕食時各1錠(1日2錠)
・ω3︰夕食時1粒
使用をやめたもの
・あまに油(ω3サプリメントに変更)
・クエン酸
・青汁
・強ミヤリサン錠(1日3回から1回に減量)
●藤川徳美先生のブログより、参考になる記事をご紹介
精神科医こてつ名誉院長のブログ
子どものサプリメント量の目安(1日量)
「医師や薬に頼らない! すべての不調は自分で治せる」、より
当院ではお子さんの発達障害や起立性調節障害などの治療を行うことも増えてきました。「子どもがサプリメントを飲んでもいいですか?」と聞かれますが、もちろん大丈夫です。
・ビタミンC(C1000)
10歳までは年齢×1gが1日の上限です。3歳なら3g、5歳なら5gがそれぞれ上限になります。水溶性ビタミンなので1日2~3回に分けて服用してください。お腹がゆるくなるようであれば、量を減らしてください。
・ビタミンB(B50コンプレックス)
過量投与による副作用はありません。水溶性ビタミンなので1日2~3回に分けて服用してください。1日2~6錠が目安です。
・ビタミンE(E400)
過量投与による副作用はありません。脂溶性ビタミンなので1日1回服用してください。1日、400IUを1~2錠が目安です。鉄を服用する場合は、鉄とは8時間空けます。
・ナイアシンアミド
6歳までは、500mg×3錠、7歳以上は、500mg×6錠が目安です。水溶性ビタミンなので1日2~3回に分けて服用してください。吐き気が出たら量を減らしてください。
・キレート鉄
Nowアイアン36mg×1~2。アドバンストフェロケル27mg×2~3。ビタミンEとは8時間空けます。処方薬の鉄の場合は、インクレミンシロップ10mlは鉄60mg。フェルム1錠は鉄100mgとなります。
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1)発達障害、ADHDにはナイアシンアミドが一押しで、顕著な効果を認めます。
カプセルを飲むのが苦手なら、カプセルから外して与えます。
ヨーグルトに混ぜると独特の苦みで飲めない人が多いようです。
ココア、ココアプロテイン、チョコアイスに混ぜ込むと苦みが気にならなくなり飲める人が多いです。
2)チュアブル鉄27mgなら、2~3錠与えたいですね。
3)錠剤が飲めない小さなお子さんには、顆粒のメグビーミックス(B群+C)を推奨しています。
https://ameblo.jp/kotetsutokumi/entry-12545729675.html?frm=theme
より。
その他の記事。
現在当院で販売しているナイアシンとナイアシンアミド ナイアシンフラッシュについて | 精神科医こてつ名誉院長のブログ
ナイアシンのポジティブな副作用とネガティブな副作用について~その2 | 精神科医こてつ名誉院長のブログ
●iHerb
iHerbでは、本当にたくさんのサプリメントを購入している。
チュアブル、タブレット、カプセル・・・
試行錯誤は続いたが、現在、使用するサプリメントはだいたい固まってきた。
ところで、iHerbでのサプリメント購入の際には、
「プロモコード」欄に、
CBU6939
の紹介コードを入力すると5%の割引になるようだ。
よろしければ。
iHerb.com - ビタミン・サプリメント & 天然健康製品