カメさん、さようなら。お世話になりました。

我が家には、「カメ」がいた。

それも2匹。

大きさは20cmほどか?

 

夫と結婚し、一緒に住むようになったある日、突然、バルコニーに「カメ」が出現していた。

1ヵ月も経っていない頃だったと記憶している。

 

「カメ」は、夫が結婚前から長らく飼っていた。

お店で買ったのではない。

その辺で、拾ったのだ。

出勤時、道路を歩いている「カメ」を見て、「危ない」と思ったらしい。

一体、どんな道を通れば「カメ」なんかに遭遇するのか?

謎すぎる。

が、とにもかくにも、夫は車を止めて、捕獲。

そのまま出勤したらしい。

会社のロッカーに入れていたらしいが、当然ながら、「カメ」は「ゴトゴト」音を立てるので、奇異の目で見られたとか。

まあ、そうなるだろう。

 

そして、その夫が愛してやまない「カメ」2匹だが・・・。

 

話が飛ぶ。

先日、双子兄、まひろが嘔吐した。

病院を受診すると、医師がおっしゃる。

「胃腸炎になる頻度が普通のお子さんの10倍以上です。原因もいつもよくわかりません。このままではいつか大変なことに・・・」

 

また、言われてしまった・・・。

手洗いをそんなに怠っているとは思わない。

なぜなのだろう?

 

続けて医師。

「イヌやネコは飼っておられませんよね?」

「はい」

「うーん・・・」

「あ、カメとヤドカリは飼っています」

「カメ?ヤドカリ?カメは原因になりうります。カメが原因だとは言いきれませんが、危険因子は排除してください」

「夫は、カメを愛しているんですけど・・・」

「わかります、わかります、家族ですから・・・。でも、危険因子はなくしてください」

 

というわけで、我が家の「カメさん」は、夫の実家へと出戻ることとなった。

一昨日、日曜のことだ。

 

子どもが生まれてからは、バルコニーから室内へと居を移していた「カメさん」。

我が家にとっての「カメさん」とは・・・。

 

まずは、まだまだもっと子どもが小さかった頃。あちこち歩き回られるのが嫌だった。何をするか、何を口に入れるかわからない。決まったスペースにいさせたかった。

なので、

「このお部屋から出ると、カメさんが、お尻を食べにくるよ!ジャンプしてガブッと噛みつかれるよ!こわいよ!」

と、「カメさん」を使わせていただいた。

 

今では子どもも少し大きくなり(年中児)、物静かな「カメさん」を恐れたりなどしなくなった。

仕方がないので、次の手を打った。

子どもがおもちゃを片付けなかったりしたときには取り上げるのだが、後で、まひろがどこに隠してあるのか探し回るようになった。

なので、

「おもちゃは、カメさんに預かってもらいました。甲羅の中にしまってくれています。ちゃんとするまで返してもらえません」

などと話す。

そうすると、まひろは、

「まひろは〜、最近、お片付けも頑張ってるしー、嫌いなお野菜も頑張って食べてるしー、カメさんに返してってお願いして」

などと言うようになった。

確かに、頑張っていると思われるときには、

「そうだね。わかった。カメさんとお話してみる」

と言って、取り上げたおもちゃを返してやることもあった。

 

その「カメさん」・・・。

いなくなってしまった。

それも、「救急車」と「消防車」を1台ずつ甲羅に入れたまま。

 

世話は夫が長期出張に行ったときでもなければ一切しなかったが、、、

いなくなったらいなくなったで、

さびしい。

さびしいなあ。