鉄製フライパンの錆止め塗装を焼く

フライパンの表面のコーティングが剥がれることが気になり、双子たちのために鉄製のフライパンを買った。あわよくば、鉄も摂取できればとの考えもあった。

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しかし、この鉄製フライパン。買ってすぐに使うことはできない。まずは、表面の錆止め塗装を落とさなければならないのだ。

 

●鉄製フライパンの塗装を焼く

塗装を落とすには、高温のガス火で焼くのがベストなのだが、これが結構難しい。ガスコンロには、センサー機能がついており、高温になりすぎると自動で火力が落ちてしまう。

 

ガスを2つつけて、まずは片方を使ってフライパンを加熱。火力が落ちると、隣のコンロへ移動して加熱。これを繰り返した。そのうち、次第に火力が落ちにくいやり方がわかってくる。

 

意外にやりにくかったのが、底の中央。五徳に乗せると加熱度合いが低くなるようだ。コンロから浮かして全体を加熱する。

 

説明書きには、

全体が青っぽくなるまで・・・

とある。

こういう感覚的な事柄が1番苦手だ。

「青っぽく」って、何だ?

よくわからんと思いながらも、加熱を続けると、なるほど確かに色が変わってくる。全体の色が変わるようにひたすら焼く。

 

焼いていると、煙が出て、匂いもする。換気扇を最大にして行う。

焼ききるまで、なんだかんだと1時間ほどかかった。やれやれ、大変だ。夏でなくてよかったと思う。

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しばらく後、フライパンが冷めてから見ると、色が変わっていない箇所があった。再度、その部分を焼かなければと思っていると、双子が肺炎になった。フライパンはそのままほったらかしとなった。

ようやく双子たちの体調が戻った今週、フライパンを焼きなおす。まだ煙が出る。

 

そして、やっと今日、くず野菜を炒めて油をなじませる段階まできた。f:id:rumraisinn:20200220204356j:image

 

人参などの皮を多めの油で炒める。火の通り方が速い!こんなものでいいかと火を止めてそのままおいておいたら、余熱もかなり強力なようで、人参の皮は焦げ焦げになってしまった。これは、実際の使用時には注意が必要だ。料理ができたら、速やかお皿に移さなければならない。

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炒め終わって、フライパンが冷めたところで、説明書きの通りに、洗剤をつけずにスポンジで洗う。そして、油(我が家はオリーブオイル)を少量たらし、ティッシュで広げて、余分な油を拭き取った。迷ったが、外側も油で拭いておく。

拭き終わったティッシュを見て驚く。色がついているのだ。

何だ、これ(2枚目のティッシュ)?

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人参の色素がスポンジでは落としきれなかったのだろうか?それとも、錆?

いずれにせよ、あと3回くらいはくず野菜を炒めてから、まずは自分が食べるものを調理して試そうと思う。

 

そして、いまさらながら思う。

小さい。

いくら、試しにというつもりで買ったにせよ、もうあと2、3cm大きければよかった。20cmでは、双子の朝ご飯の卵を2個焼けるかどうかという感じだ。

本格的なボリュームの炒め物には当然使える大きさではない。

 

改めて大きい物を買うとして、またこの塗装落としをしなければならないのかと思うとかなり気が重い。

表面が「窒化」してあるものだと、塗装を焼く必要はないようだが、お値段が高くなってしまう。

なんとも、悩ましい。

 

●今日の妄想

今日は、春を思わせる温かで優しい光が降り注いでいた。

自分の身体にも、エネルギーが注ぎ込まれるような気がした。

 

夏の終わり、秋の初め頃だろうか。

なんとなく、次の桜は見られないかも・・・と思った。

自分の身体が透明になり、消えゆくような感覚があった。

 

生物は、子孫を残すことが生きる上での最重要課題だ。子孫を残すことは、すなわち種の多様性を維持することだ。それは、食物連鎖の流れの中で、他の生物(命)を支えることと同義だと思う。

故に、生物は次の命を育まなければならない。

 

私は、その役割を一応は既に果したということになる。子育てはしなければならないが、私がいなくても子どもが飢え死ぬことはないだろう。生きてはいくはずだ。年齢的にも次の子を設けることは難しい。

生物として、今、私は残りの時間を生きていることになる。

 

夢も見た。

もう10年以上も前に亡くなった人が現れて、

「あなたも私が死んだのと同じ歳になったから、そろそろこちらにおいでなさい」

と言った。

 

そんなこんなな私に、今日の世界はエネルギーを与える。

何かが私を生かした。そんな気がした。次の桜もきっと見られるだろう。

 

「そんなに双子の世話を頑張るなら仕方がない。もうしばらくやりなさい。」

 

何かが、そう判断したのかもしれない。

 

ふと、好きなバンドのライブ映像が脳裏をよぎる。

「おまえらー!かかってこい!」

ボーカルが叫ぶ。

 

私も声には出さずにつぶやく。

「かかってこい!」

 

そして、自問する。

何に対して?

 

そう、アイツに決まっている。

「かかってこい!かかってこい!ハッタツショウガイ!」

知らぬ間に、ギュッと唇を噛んでいた。

 

明日も、明後日も、明々後日も・・・、頑張る。

かかってこい!