母子手帳の「子育てについて気軽に相談できる人はいますか。」について思うこと

母子手帳には、「2歳の頃」「3歳の頃」といったページあり、保護者が自分で記録する事項がある。健診などで確認されるようだ。例えば、「3歳の頃」のページだと、「手を使わずにひとりで階段をのぼれますか。」などといった質問が記載されていて、「はい」「いいえ」に丸をつける。

 

そして、「3歳の頃」のページの、下から2番目にこの質問がある。

「子育てについて気軽に相談できる人はいますか。」

これは、健診でも、保健師さんが自宅に訪問してくださったときも、必ずと言っていいほど聞かれた質問だ。

私には年上の「双子ママ」の知り合いがいて、何か聞こうと思えば聞くことはできた。なので、最初の頃は、保健師さんに「はい」と答えていた。最初の頃は、だ。しかし、ある時を境に、「いいえ」と答えるようになった。誰かに何かを聞きたいと思うことがあったとしても、実際に行動に移すことはなかったからだ。

 

双子だからか、とにかく毎日へとへとだ。1日中、寝る時間を確保することばかり考えている。貴重な時間を削ってまで、何か相談したいことがあったとして、相談するまでがとにかく面倒くさいのだ。

誰かに何かアクションを起こすとき、インターネットの検索のようなわけにはいかない。例えば、「子どもが嘔吐」して、「どうすればいいのか?」「病院を受診した方がいいのか?」「様子見でいいのか???」というような状況だったとして、ネットなら「子ども 嘔吐」といった感じで簡単に検索することができる。もちろん子どもの病気についての書籍も手元にある。

でも、誰かに聞くとなると、「大変」だ。

 

誰しも忙しい。電話よりもメールがいいかなということになる。そうすると、即時性に欠けてしまう。そして、そもそも、メールなりラインなりで文章を書くのがしんどいのだ。

ネットで検索するように、いきなり「子どもが嘔吐したんだけど・・・」というようなわけにはいかない。まずは、「お久しぶりです。お元気ですか?」から始まり、「暑くなってきましたね」とか「寒くなってきましたね」なんてことを書いて、「お子さんは元気ですか」とか「お仕事は順調ですか」とかそんな文が続いて、やっと「実は子どもが・・・」と本題に入る。そして用件が終わると、今度は「○○ちゃんのピアノが・・・」とか「毎日暑いですが、体調にはお気をつけて」とか「お仕事頑張ってくださいね」などと続けなければならない。それでもまだ終わらない。最後には、「またご飯にでも行けたらいいですね」などの、実現する可能性なんて皆無に等しい文言を付け加える。

そんなこんなで、文面を考えるのも、打つのもとにかくおっくうだ。しかも、相談をしたところで、必ずしも問題が解決するとは限らないのだ。たとえ問題が解決しなくても、悩みを誰かに聞いてもらうだけで気持ちが楽になる、という人もいるかもしれない。でも、少なくとも、私には必要ない。時間の無駄だと思う。心の平穏より、睡眠の方がはるかにプライオリティが高いのだ。
そんなわけで、「寝たい。眠たい。眠りたい。。。」ばかりを考えて、毎日を生きている人間には、「相談できる人」がいたとしても、「気軽に」はなかなかできないし、「相談する時間」もそうそう取れないのではないか、と思うのだ。

 

 

today's three-year-old twin

園から、アパートの駐車場に到着すると、お隣の家の「おばちゃん」も丁度、外出先から帰宅して、車を車庫入れしているところだった。

うちの3歳の双子たちは「おばちゃん」が大好きだ。「おばちゃーん」と大声をあげながら、一直線に駆け寄っていく。そして「ピーマン食べた」だの「トイレでおしっこした」だのと次々に報告をする。

その光景を見ながらふと思う。何かに似ている。何だろう?

そう、あれだ、あれ。人の気配を察すると寄ってくるあれ。「金魚」だ。

「おばちゃん」のそばに寄っていき、口をパクパクさせて、おしゃべりをする彼らの姿は、まるで「金魚」のようで、今日も大変にかわいらしいのだった。