発達障害の双子(3歳) 療育・リハビリを受けるまで

我が家には、発達障害3歳の双子がいる。

まず、乳幼児健診にて、発達障害の可能性を指摘され、その後、療育施設への通所、専門病院でのリハビリ開始へと進んで行くこととなる。

 

●健診にて

1歳半健診のときに、

「発達に遅れがある可能性があります。個人差の大きい時期ですので、まだ確定はできません。次の2歳児歯科検診の際に、再度テストを行い、遅れを確認しましょう。」

と言われた。

そして、歯科検診時(25ヵ月)のテスト。結果は、2人とも芳しくなかった。うちの子たちだけが、会場をひたすら走り回っていた。

 

保健所併設のクリニックか、専門病院の受診と、療育施設への通所を検討するようアドバイスを受ける。しかし、クリニックの受診予約も、療育施設の見学予約もなかなか取れなかった。

 

●療育施設の見学と通所開始まで

26ヵ月頃、やっと1つ目の療育施設の見学ができる。運動面と知的面との療育をすべて室内で行う施設だった。入所は、早くて2ヵ月後になると言われた。

次いで、27ヵ月頃、2つ目の療育施設の見学ができた。こちらは外遊びを重視する施設で、言語面の療育は行わないとのことだった。

どちらの施設も、通う頻度は週に1回だった。

 

澤口 俊之氏著の『発達障害の改善と予防』によると、発達障害の改善には「少し危険な外遊びを、3人以上でするのがよい」とあり、2つ目の施設には、大変魅力を感じた。しかしながら、今年度一杯は空きがないとのことだった。

利用者が体調不良や、園の行事等でキャンセルした場合に、臨時で利用する形を取れば、次の4月から正規に通所できるようになると説明を受けた。

うちは双子なので、2人同時にキャンセルがでないと利用できない。定員は1クラス56人で、そんなに頻繁に機会が訪れるとも思えなかった。となると、随分長い間、専門的なフォローを受けられないまま放置することになる。

 

夫が、室内で行われることでの安全性の高さと、知的な面での療育を受けられることを重視したこともあり、我が家の双子たちは、1つ目の療育施設に通うこととなった。29ヵ月のことだ。

 

●保健所併設のクリニックの受診

保健所併設のクリニックを29ヵ月でやっと受診することができた。

双子兄、まひろは「多動傾向」とのこと。しかし、正確な診断は就学期にならないとできないと言われた。

双子弟、まそらは「多動傾向」に加え、言葉の遅れが認められ、「療育手帳」の対象となる可能性があると言われた。

そして、2人とも、専門病院でのリハビリを受けることが望ましいとアドバイスを受けた。保健所併設のクリニックでは、経過観察の診察はできるが、リハビリは実施していないとのことだった。リハビリは通常2週間に1回のペースで行われるとの説明を受ける。

当時、何とか仕事を始めたいと思っていた私としては、療育施設に毎週通い、リハビリに月2回通うとなると、職業選択の幅が狭まってしまうため、リハビリを始めることには随分ためらいがあった。

結局、保健所併設のクリニックの半年後の診察を予約し、帰宅した。

 

●専門病院受診とリハビリ開始

保健所併設のクリニックを受診してから数ヵ月が過ぎた。その間、『発達障害の改善と予防』に、「発達障害の改善は6歳を過ぎると困難になる」と書かれていたことが頭から離れなかった。自身の就労を優先し、後、数年の頑張りを怠って、後悔しても遅いと思った。

とりあえず、話を聞くだけ聞こうと思い、診察の予約を取った。初診(34ヵ月)にて、2人とも「遠城寺式・乳幼児分析的発達検査」を受ける。結果、まひろは作業療法士によるリハビリを、まそらは作業療法士言語聴覚士によるリハビリを受けるように言われる。

この頃には、私の中では、できることは極力何でもしてやろうという思いが強まっていた。

この日、言語のリハビリは予約を取れる見通しが立たないとのことで、作業のリハビリのみ、予約を依頼することとなった。

結局、作業のリハビリは、36ヵ月より、言語のリハビリは38ヵ月より始まり、現在に至っている。

 

余談になるが、まそらは33ヵ月にて、療育手帳にかかわる児童相談所の職員による面談(K式発達検査)を受けた。軽度のB2で、療育手帳は発行となった。

 

☆書籍紹介:澤口 俊之『発達障害の改善と予防』(2016小学館

 

 

today's three-year-old twin

用事があり、朝、まひろだけ連れて出かける。用が済み、昼食時まで少し時間があったので、スーパーに寄った。

まひろがおもむろに、35円ほどの小さなスナック菓子をかごに入れてくる。私はできる限り、市販のお菓子類は与えたくないのだが、彼は退かなかった。

帰ってから、彼の見えないところに片づけてしまえば、すぐに忘れてしまうだろうと思い、買ってやることにする。

 

住んでいるアパートの駐車場に着くと、彼がそわそわしながら言う。

「これ、おばちゃんのお土産にしたいんだ」

「おばちゃん」は、アパートの隣にある家に住んでいて、ご主人の「おじちゃん」と一緒に、いつもうちの子どもたちをかわいがってくれる。なので、彼らは「おばちゃん」と「おじちゃん」が大好きなのだ。

車から降りるやいなや、「おばちゃーん!」と大きな声で呼ぶ。

「はーい」と声がして、玄関から「おばちゃん」と「おじちゃん」が出てきてくれた。

「これ」と言って、まひろが買ってきたお菓子を差し出す。

てっきり自分のために欲しがったのだと思っていたので、私はかなり驚いてしまった。3歳なのに随分気が回るものだと感心する。

 

そして、同日夕方。

家族4人で、別のスーパーで買い物をしていた。ベーカリーコーナーでパンを選んでいるうちに、まひろがいなくなってしまった。店内を見回すと、なんと、しれーっとパンを1個持ってレジに並んでいるではないか。そして、前の女性のお客さんと一緒に、パンを店員さんに差し出している。そしてそして、彼はちゃっかりそのお客さんに、お金を払ってもらってしまったのだった。慌てて、そのお客さんのもとに、お金を支払いに走る。でも、「いいよ、いいよ」と笑って、受け取ってもらえなかった。

今朝の「おばちゃん」への彼の振る舞いは、結局、彼に戻ってきたのだった。